第七章
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笑顔で話す。
「僕があの人のよさに気付いたからですよ」
「それでだって」
「それで?」
「一緒になれたって」
「香里奈さんは凄い美人だって。最初からわかっていましたから」
それでだというのだ。
「それでなんですよ」
「最初から気付いていたって」
「それでって」
「僕はそれをちょっと掘り起こしただけです」
自分のことはこれで終わらせたのだった。
「そう、ほんのちょっとだけですよ」
「それであれだけの美人になったって」
「けれど元々美人だったって」
「そうだったのか」
「それに気付くかどうかで変わるんですよ」
こんなことも言うのであった。
「それで僕は今あの人と付き合ってる訳です」
「何か嘘みたいな話だけれど」
「魔法にかかったみたいな」
「そうだよね」
「はい、魔法ですよ」
裕則はここでその通りだと述べてみせた。
「人はちょっとした魔法であっという間に変わるものですから」
「ううん、何だかよくわからない話だけれど」
「あんなに地味で目立たなかった三島さんがね」
「あそこまで美人になるなんてね」
「魔法だよね、本当に」
「はい、じゃあそういうことで」
彼は彼等にまた言ってだ。そして最後にこう言うのであった。
「魔法使いはこれで」
最後にこう言ってその原石からとびきりの宝石になった彼女のところに行くのである。魔法使いはその見出した宝石を愛するのであった。
男の子は魔法使い 完
2010・8・28
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