入学編〈上〉
実習課題・加速と減速
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したら、反感を買う事になる。風紀委員はちょっとした警察みたいな感じで権限はほぼ同じだからな。エリカから風紀委員って何すんの?と言われたから答えたら一真君にはピッタリだねと言われた。まあ対人戦闘とか得意だし、何のために護衛がいるのかとね。
「まあ風紀委員に関してはやってみようと思う。対人戦闘は得意中の得意だし、危険と思われがちだけど複数犯いたら蒼太に手伝ってもらうし」
「それはそれで面白そうだな。頑張れよ、応援するぜ」
「でも喧嘩の仲裁ってことは攻撃魔法のとばっちりを受けるかもしれないんですよ?」
「そうよ。昨日は取り押さえたあとに生徒会長と風紀委員長が出てきたから、よかったものを。逆恨みする連中だって出てくるし」
「でもよぉ、威張ってしゃしゃり出てくる一科生よりは、一真の方がいいのかもしれないぜ」
とまあこんな感じだけど、喧嘩しなければの話でも火の粉を払わなければいけないときもある。世の中には濡れ衣や冤罪とかあるくらいだけど、それについても問題はないしな。学校には監視カメラはついているかは知らないが、俺の身に付けている物で撮ればいいことだし。それに一科が二科を取り締まるより二科が一科を取り締まったら、二科としては良い事だと思うな。
「次はエリカの番だぞ」
「あっ、ごめんごめん」
少し慌てたエリカであったが、すぐに気持ちを切り替えた。エリカが深呼吸をしたあとに、肉眼では見えないが魔法師なら見えるサイオンの波動がエリカの背中越しから見えた。起動式の展開とそれに続く魔法式の発動で、使い切れずに余ったサイオンの光。技巧に優れた魔法師ほど余剰想子光は少ないが、高校一年生としては悪くないレベルだ。余剰想子光が一定レベルを超えると光子干渉により物理的な発光現象まで伴うことになるが、それがなかった分、力をキチンと制御できているんだろ。CADの前に置かれた台車が走りだし、折り返し戻ってくる。それを三往復。エリカにとっては満足な結果なのか小さなガッツポーズをした。
この実習はレールの中央地点まで台車を加速し、そこからレールの端まで減速して停止。逆向きに加速と減速を三往復させること。CADに登録されている起動式は加速と減速を六セット実行する魔法式の設計図。と俺の番が来たので据置型の教育用CAD前に立った。そして手を置いてサイオンを流すが、返ってきたノズル混じりの起動式だが何とか動かせたし、加速と減速をしたので合格ラインに入った。ただやはりというか遅いと思ったがまあしょうがないとは思う。俺は本来なら起動式やCADを使わない魔法師というより超能力者や精霊術師という方が近い。エレメンツ(属性)使いでもあるけど。あとは神の力、それは封印処置をしているから普通の人間に見える。
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