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Angel Beats! the after story
C7
戦線旅行
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ていたのは分からずじまい。

さっきからあまりの豪華さに口一つ動かせないゆりたちは口をパクパクさせ、庶民魂全開だった。

「荷物はここに置いといて下さい。後で我々が部屋に持っていきますので」

高級な旅館の女将だけあって一つ一つの動作は洗礼されてますます美しく感じる。

「部屋は男女別なので途中までは一緒ですが女性の皆様はこちらの新人が御案内しますのでよろしくお願いします」

女将が手招きで呼んだ女性はそれこそ、この旅館にピッタリな女性だった。

黒い艶のある長い髪に繊細そうな見た目と反している鋭い瞳は現代の大和撫子と言っても過言ではないかもしれない。

女性は見た目通りの美しい動作でお辞儀をし、顔を上げる。

「最近、この旅館でお世話になっております。椎名といいます」

???????

まさか………。

「みんな集合!」

ゆりの号令のもと、かなで以外のみんなが円陣を組む形で集まる。かなではというと、好奇心旺盛でお土産を見ている。
「みんなどう思うかしら?」

「多分、俺は椎名だと思う。いやそう信じたい」

「んまぁ、椎名っちかもしんないな」

「ですが、もし人違いだったら」

「僕は椎名氏に近いなにかを感じます」

「私もそう思うんだが、岩沢はどう思う?」

「あたしは結弦を信じる」

「岩沢先輩そういうことは控えてくださいよ」

「みゆきちの言う通りですよ岩沢先輩」

みんなそれぞれの意見を述べる。ボソボソと小声で話してるから旅館の人の目を気にしてしまう。恥ずかしいぞ。

「最後に野田くんはどう思う?」

なぜか円陣に入っていない野田。どこ行ったんだあいつ?
辺りを見るとすぐに見つかった。

柱の隅っこで三角座りになり小刻みに震えている野田がいた。

(((((やっぱり椎名(さん)(っち)だ(な)(わ)この人)))))

野田の椎名恐怖症が出たということはそれが答えだ。まさか、あの椎名が旅館の従業員とは。

「どうかなさいましたか?」

女将の言葉を聞き、全員が整列する。

見た目から見るに椎名の年は少なくとも俺よりは年上だな。あっちの世界でも綺麗だったが大人になってるせいか、もっと美人になってる。

「い、いえなんでもありません」

「そうですか、では、お部屋に御案内します」

建物が大きい割には部屋はあまり多くなかった。高級なところはだいたいそうなんだろうな。

「女性の皆様はこちらへ」

T字路で男女別れる。どうやら左が女性部屋、右が男性部屋らしかった。ちなみに夫婦やカップル、家族は別階らしい。





男共と別れ、椎名さんに着いて行く私たち。
本当に椎名さんだなんて信じられないけど、野田
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