入学編〈上〉
会長からのお誘い
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第一高校生が利用する駅の名前は「第一高校前」とある。俺らは送迎車があるが、普通の第一高校生はキャビネットである電車での通学をする。駅から学校までは一本道。途中で同じ電車に乗り合う、ということは、電車の形態が変わったことにより無くなってしまったが、駅から学校までの通学路で友達と一緒になる。というイベントは、百年前からあまり変わらずというらしい。入学二日目の昨日もそういう事例ではあったし、レオたちが何時にこの駅前に来るのを聞いた俺と深雪は送迎車がその時間に着くようにした。
「一真さん・・・・会長さんとお知り合いだったんですか?」
「まあな。織斑家現当主と七草家現当主と知り合いでな、毎年の誕生日会にお呼ばれされているくらいの仲だ」
美月の疑問に答えた俺。織斑家現当主というのは当然俺なのだが、その時は本来の姿としてだ。正確に言うと会長が生まれる前からの知り合いなのだが、それについては秘匿なので答えないでいるけど。
「どおりで仲がいいわけか」
「わざわざ走ってくるぐらいだもんね」
今の姿と七草会長とは、一昨日が初めてというのが学校ではそうなっている。1週間前に呼ばれた時に本来からこの姿にしたから、擬態前だと会長が生まれてからの知り合いとなる。ただし四葉家の力はなかったことにしている。まあ会長の黒髪とかは真夜譲りだけど。レオとエリカの言う通り、知り合ったばかりとは思えないほどだったらしい。
「・・・・深雪と俺を勧誘していたのかな?」
「・・・・それはあり得ますね。お兄様の名前を呼んでおります」
俺の周りには美月、エリカ、レオのいつものメンツだ。レオたちが来る時刻に合せて俺らの家を出る時刻を変えてみた。そしてレオたちが駅前で出てきたときにちょうど到着するようにしたけど。そして車から出てきた俺らに声を掛けてから合流して、学校に向かうようになった。その事に関しては問題ではないし、1日の始まりとしては悪くは無い気分だ。のんびりと歩いていると後ろから「一真く〜ん」と客観的には少々恥ずかしいが、声と共に小柄な人影が来た。
「一真君、オハヨ〜。深雪さんもおはようございます」
随分と砕いたような感じだな。まあ俺らの実年齢知っているからなのかな。でも深雪と比べて何か違うと思ったが挨拶をする。
「おはようございます、会長」
周りからは3年と1年だからか、自然的に丁寧な挨拶をする。深雪も続いて丁寧に一礼をする。他の三人も、一応礼儀正しく挨拶をするが、やや引いているな。
「お一人ですか?」
「うん。朝は特に待ち合わせはしないんだよ」
なるほど。まあ会長も電車通学するし、特に待ち合わせとかしないのかと思ったが。
「深雪さんと少しお話したいこともあるし・・・・ご一緒しても構わないかしら?」
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