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美しき異形達
第二十五話 幻と現実その五
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「そうなるわね」
「まあ寝ない猫っていうのもね」
「ないわよね」
「じゃあゆっくり寝てね」
 姉は猫達にも微笑んで言った。
「私達は外出するけれど」
「ニャア」
 二匹の猫達は鳴いて応える、そしてだった。
 菫も家を出た、そうして。
 駅前で薊達と待ち合わせをした、そこには皆揃っていた。赤のティーシャツとえんじ色の膝までの半ズボンの薊が菫に笑顔で言って来た。
「よお、じゃあ今からさ」
「映画館よね」
「そうそう、皆で約束した通りだ」
「映画を観て」
「後はカラオケ行こうな」
「そうね、それと」
 ここでだ、さらに言う菫だった。
「お昼もよね」
「お昼何食う?」
 薊は菫だけでなく他の面々も見回して尋ねた。
「今日は」
「ハンバーガーとか?」
 黄色いパーカーのある上着とレモン色の足首までのズボンの菊が応えてきた。
「そういうの?」
「ハンバーガーな」
「そう、どうかしら」
「そういえば八条バーガー今新商品出てたよな」
 ここでだ、薊はこのことを思い出した。
「そうだったよな」
「ええ、五段のね」
「五段って凄いよな」
「あれよね、普通のハンバーガー二枚にね」
 橙のブラウスにだ、オレンジ色のひらひらのミニスカートの向日葵が言って来た。
「チキンカツ、スパム、ベーコンのあれよね」
「あれ一個で相当だよな」
 相当な量だというのだ。
「あれ食うか」
「いいわね」
 空色の制服の様な上着に青の膝までのスカート、これが菖蒲の今の格好だ。
「安いって話だし」
「八条バーガーって大体安いよな」
 薊は八条グループが経営するそのハンバーガーショップのこと事態を話した。このチェーン店は味だけでなくそのことでも有名なのだ。
「美味し」
「ええ、だからね」
「じゃあ今日のお昼は」
「ハンバーガーですね」
 桜も言う、その名を表した様に桜色に白の蝶をあしらった着物だ。帯は赤に近い桃色だ。
「それになりますね」
「そうよね」
 青のジーンズに白のブラウス姿の裕香も言う。
「それじゃあ映画館の後は」
「ハンバーガー食ってな」
 薊は裕香にも答えた。
「そうしてな」
「その後でカラオケね」
「カラオケはやっぱりあそこよね」
 菫があそこと言う店は。
「スタープラチナよね」
「やっぱりあそこだよな」
「最近店員さんの機嫌もいいし」
「横浜少しは勝ってるからな」
 横浜DENAベイスターズが、だ。
「あたしにしてもほっとしてるよ」
「だからよね」
「ったくよお、元神奈川県民としてはさ」
 このことはだ、薊もぼやくしかなかった。
「もっと勝って欲しいよ」
「特に巨人に」
「ここ十何年かてんでだからさ」
「長いわね、十何年は」
「ああ、あたしが物心ついた時
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