入学編〈上〉
オリエンテーション
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は私と柳沢先生が担当します」
そこで言葉を切り、教卓のコンソールを操作すると、三十代半ばに見える男性の上半身が、教室前のスクリーンと各机のディスプレイに映し出された。
『はじめまして、カウンセラーの柳沢です。小野先生と共に、君たちの担当をさせていただくことになりました。どうかよろしく』
スクリーンに柳沢カウンセラーを映したまま、教壇にいる小野先生は説明を再開した。
「カウンセリングはこのように端末を通してもできますし、直接相談に来て頂いても構いません。通信には量子暗号を使用し、カウンセリング結果はスタンドアロンのデータバンクに保管されますので、皆さんのプライバシーが漏洩することはありません」
まあそうだろうな。今は端末越しが主流みたいだけど、俺だったら直接会って相談すると思うが。まあ俺の相談相手なら後ろにいるし、魔法というか現代魔法以前の力だから超能力者の方が俺らしいと思うし。とあるシリーズではそうだったように。タブレットだと思った俺だったがブック型データバンクを持ち上げて見せた。トレミーの通信も今はほとんど暗号通信が多い。ソレスタルビーイングを探している国家は多いが、残念な事に地球上にはいない。誰も月の中にいるとは思わないだろうし、本社地下にいる事も。
「本校は皆さんが充実した学生生活を送ることができるよう、全力でサポートします。・・・・という訳で、皆さん、よろしくお願いしますね」
それまでの生真面目な口調が、一転して砕けたような柔らかい口調になった。教室内に脱力した空気が流れる。緊張と弛緩、自分の容姿まで計算に入った中々見事なエモーションコントロールだと思った。若さというより、大学出たてのような外見に似合わない場数を感じる。まあ一対一だったら喋らないことを喋ってしまう勢いという。カウンセラーにとって重要な資質だろうけど、女スパイとか出来そうだな。まあ俺の部下で女スパイやっている奴いるけど。国際魔法委員会とか。俺は外見は高校生だが中身は大人だから。と言っても詮索はあまりしない方がいいな。背後のスクリーンの中で、放置されたまま困惑顔になっていた柳沢カウンセラーに向かって頭を下げていたがマジで忘れてたようだった。そして画面を切り換えてから小さく咳払いをしてから何事もなかったような笑みを浮かべて話を続けた。
「これから皆さんの端末に本校のカリキュラムと施設に関するガイダンスを流します。その後、選択科目の履修登録を行って、オリエンテーションは終了です。分からない事があれば、コールボタンを押してください。カリキュラム案内、施設案内を確認済みの人は、ガイダンスをスキップして履修登録に進んでもらっても構いませんよ」
ここで教卓のモニターに目を落とした小野先生は「あら?」という表情を見せた。
「・・・・既に履修登
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