入学編〈上〉
オリエンテーション
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思わんが?」
「あっ?悪い悪い。ここにいるクラスメイトが気になっていたから見てみると、俺も珍しいなと思って見入ってしまった」
「そんなに珍しいか?」
「珍しいと思うぜ?今時キーボードオンリーで入力するヤツなんて、見るのは初めてだ。ここにいるクラスメイトもそう思うぜ」
「慣れればこちらの方が速い。視線ポインタも脳波アシストもいまいち正確性に欠けていると俺は思うが」
「それよ。すげースピードだよな、それで十分食っていけるんじゃないか?」
「まあな。俺の知り合いはこれ並みに凄いと思うが」
「そうなのかぁ。おっと自己紹介がまだだったが、俺の名は西城レオンハルトだ。親父がハーフ、お袋がクォータな所為で、外見は純日本風だが名前は洋風、得意な術式は収束系の硬化魔法だ。志望コースは身体を動かす系で警察の機動隊とか山岳警備隊とかだな。レオでいいぜ」
現代の若者感覚からすれば、高校入学時点で既に進路希望を決めているとは。俺感覚だとまだ早いんじゃないのかなと思うが、魔法科高校は別と聞いている。魔法師は能力いや素質が進路と密接に結び付いている。レオが自己紹介中に将来の希望職種を入れているというのは意外だなと思った。
「織斑一真だ。後ろにいるのは俺の護衛で蒼太と言う。俺のことも一真でいい」
「OK、一真に蒼太さん。今年度の一年生は護衛付きがいると昨日の入学式で聞いたが、まさか一真だったとはな。それで得意魔法は何よ?」
「実技もまあまあ出来るが、魔工技師を目指している」
「なーる・・・・さっきの入力を見る限り頭良さそうだな、お前」
それは表での事だ。卒業した時点でこの外史の終幕を迎えることになる。ちなみに魔工技師、あるいは魔工師は、魔法工学技師の略称で魔法を補助・増幅・強化する機器を開発・製造・調整する技術者のことである。今や魔法師の必須ツールであるCADも、魔工技師による調整抜きでは埃をかぶった魔法書以下。社会的な評価は魔法師より一段落ちるが、業界内では並みの魔法師より需要が高い。一流の魔工師の収入は、一流の魔法師を凌ぐほど。実技が苦手な者だと魔工師を目指すのは珍しいことではない。
「え、なになに?織斑君、魔工師志望なの?」
「一真、コイツ、誰?」
美月も魔工師志望らしいが、エリカはコイツ呼ばわりで怒ってはいたが。喧嘩し始めたが俺は特に止めないし、喧嘩始めたのはレオだ。
「エリカちゃん、もう止めて。少し言い過ぎよ」
「レオもだ。今のは互い様だし、口だけでは敵わないと思うが」
一触触発になりそうだったが、仕方がないので俺と美月がそれぞれ仲裁に入る。
「・・・・美月がそう言うなら」
「・・・・分かったぜ」
お互い、顔を背けながら目は逸らさない。同じような気の
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