入学編〈上〉
入学式(2)
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な。それについても俺や蒼太と沙紀が取り締まりをして使おうとしたら、こちらの判断で逮捕も可能。幸い俺の装備についてエリカ達以外は見ていないようで知らないようだな。
「それでは深雪さん、今日はこれで。織斑君もいずれまた、ゆっくりと」
再度会釈をして立ち去る七草会長。背後に続く男子生徒は振り返り、舌打ちが聞こえたので軽く睨んだら慌てて振り返るのをやめた。
「さてと、帰るか」
入学早々、上級生、しかも生徒会役員に不興を買ってしまったようだが気にしない方向でいこう。俺と深雪に護衛である蒼太と沙紀以外の者達は、たった十六年しか生きていないガキに睨まれても怖くも何ともない。
「すみません、お兄様。私の所為でお兄様の心証を」
「お前が気にする事ではない。それに沙紀がいたから、ストレス溜めずに済んだのであろう?」
表情を曇らせたが、沙紀がいてくれたお蔭で最小限に留まってくれたからな。アドバイスとかもしてくれたのだろ。深雪の髪を撫でると、少し沈んでいたのが元気になったかのようになる。俺と深雪が親子というのは一部しか知らない。周りから見ると少し痛い兄妹と思うだろ。
「折角ですから、お茶でも飲んでいきませんか?」
「いいね、賛成!美味しいケーキ屋さんがあるらしいんだ」
ティータイムのお誘いが入ったから俺らは喜んで承諾した。エリカ達の家族はいなさそうだし、いるとしたらあちらから近づいてくるだろうな。それに来賓者の中には、四葉家現当主の真夜と七草家現当主の弘一もいたしな。
テレビ局もいたが、あとで俺らが写っているのを編集して送ってくるだろう。入学式会場とはチェックしてなくても甘味所はしっかりとチェック済みのようだ。流石女子の情報だなと思った。
「お兄様、どう致しましょうか?」
「いいんじゃないのか。折角知り合いになったのだから、同性・同年代の友人が増える事は良い事だ。なら甘んじて受けるのもいいと思うが、蒼太。この後の予定は入っていないよな?」
と蒼太に聞く俺。蒼太は電子手帳を見たが予定無しなので頷く。俺らはエリカに連れて行かれたケーキ屋は、俺らの情報にあったデザートの美味しいフレンチのカフェテリアだったが、ここでも俺の知り合いがやっていた店だった。
今回は入学式祝いとの事だったので、勘定はタダになった事に驚くエリカと美月。そして沙紀を入れた女同士の話に入れない俺と蒼太で、適当に喋っていた。重要な所は脳量子波で、あとはゲーム端末での格ゲーをしていた。
ここで昼食を済ませていたが、帰りは夕暮れになってしまった。店を出て駅前でエリカ達と別れてから丁度来た送迎車に乗って家に帰った。ちなみに俺らが黒塗りの送迎車を見ていた生徒達もいた。
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