入学編〈上〉
入学式(1)
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俺らはそういう制限はないがここで端末をやるのはマナー違反だろう。深雪は今頃最後のリハでもしていると思うと、沙紀からの定時通信兼脳量子波だと慌てずに落ちついているそうだ。緊張をほぐそうと沙紀は色々している。
「あの、お隣は空いていますか?」
脳量子波での定時通信を受けた後に声がかかった。声の方向を見ると女子生徒だった。
「ああ、どうぞ」
空席はまだあるはずなのに、何故俺の隣に来たのだろうか?俺と蒼太は同じ考えをしていたが、見知らぬ男子との隣に座りたがる何て度胸があるなと思った。まあここの椅子はサイズが細見でも大丈夫なよう設計されているし、声をかけてきた女子生徒でも座れるだろう。
「ありがとうございます」
頷いたと同時にそう言ってきた後、三人の女子生徒が座る。どうやら四人一並びで座れる場所を探していたらしい。
「私、柴田美月って言います。よろしくお願いします」
俺は予想外な自己紹介をされたがすぐに解釈をした。まあ二科生だから、お互い助け合いで頑張ろうという意味で教えられてきたのかもしれないな。
「俺は織斑一真という。よろしくな」
自己紹介返しをすると柴田さんはホッとしていた。ふむ、メガネか。西暦2014年はかなりいたが、この時代では珍しいな。21世紀中盤になって、視力矯正治療普及したお蔭で近視という言葉は死語である。ここにいる蒼太はただサングラスかけているだけだが、余程重度な先天性視力異常でもない限り、視力端正具は必要ない。
俺の部下は視力矯正治療をしないで、そのまま度入りのメガネをかけている者もいるしファッションとして付けている者もいるが、この子の場合は『霊子放射光過敏症』だと思うな。レンズを見た時に度は入っていない。
「あたしは千葉エリカ。よろしくね、織斑君。ところで隣に立っているのは誰?制服着てないようだけど」
「よろしくな。学内では慌ただしいと思うが、今年度の一年生は護衛付きが二人入学するとの事は聞いた事ないか?コイツが俺の護衛者だ」
「あの噂ってホントだったんだ。護衛の人の名前は?」
「蒼太」
「はい。私の名は蒼太と言いますが、残念ながら本名は言えずコードネームとして名乗っています。よろしくお願いします」
にしても千葉、ねえ。確か千葉家当主とその愛人だったアンナ・ローゼン・鹿取の間に出来た娘と聞いた事があるがもしかしてこの子なのか?千葉さんの向こう側に座ってきた女子からも自己紹介終了した所で、千葉さんが俺の装備について質問してきた。
「ねえねえ、それってもしかして・・・・」
「ん?ああこれね。これはちゃんと許可貰って装備をしているよ」
「じゃあそれは実銃なんですか?」
「まあね。他にも反対側には特殊警棒もあるが、蒼太も同様にね。
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