入学編〈上〉
入学式(1)
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すが、二科生自身も定着しておりますからね」
「そう言う事だ。俺ら二科生はただのスペアとしか見ていないし、一科生は二科生を侮辱する面があるからな。それを解決する為に俺が二科生となり深雪が一科生となった。今年度だけは、護衛付きの生徒がいる事はもう知れているからな」
と俺らはそう話しながらも、俺はこの時代では珍しい紙製の本を取り出して読んでいた。蒼太も自由に時間を潰していたけど、入学式が始まる三十分前に俺らの知り合いが現れるまで本に集中していた。
「こんな所にいましたか。織斑君」
「ん?ああ七草先輩でしたか、それとも会長と呼んだ方がいいですかな?」
「私としては会長の方がしっくり来ますが、開場時間なので呼びに来たのですよ。それとしっかりと装備しているようですね」
「これはどうも。もうこんな時間ですか。では俺達は行きますよ、七草会長」
一礼してから会場に向かったが、装備の事について聞かれた。制服のズボン付近に分かるような装備をしている生徒は俺くらいだろうし、あとは護衛である蒼太と沙紀ぐらいだな。本来CADは、生徒会の人間しか持たないが俺らは特例で持っている。
会長のは、ブレスレッド型で普及型より薄型化された最新型。まあ俺らの技術であればあれよりもっと薄型できるが、この国では法機という呼称も使われる。魔法を発動する為の起動式を、呪文や呪符・印契・魔法陣などの伝統的な手法・道具に代わり新たな道具で、現代魔法師にとって必須ツール。俺には必要ない事だが、CADが出るまで数十秒経過する所をこれが出てから一秒くらいらしい。
俺らが入った時は、既に席の半分以上が埋まっていた。座席指定がないから、どこへ座ろうが普通は問題ない。現代も学校によっては、入学式前のクラス分けを発表させてからクラス別に並ばせられるというのもあるが、この学校はIDカード交付時に判明する仕組みになっている。
なので今はどこに座ろうとも関係ない事だが、新入生の分布には明らかに規則性があった。前半分は一科生。左胸に八枚花弁のエンブレムを持つ生徒は、学校のカリキュラムをフル活動できる新入生。後ろ半分が二科生で左胸ポケットが無地で補欠扱いで入学を許された生徒。
「一真様。あちらの席が空いてますが?」
「そうか」
最も差別意識があるのは差別を受けている者のみか、まあ俺は気にしない方だ。後ろ盾は、蒼い翼と織斑家は零家・四葉家・七草家と繋がりを持っている事となっている。まあそれについては後程公表するから問題はないが、俺は蒼太が指定した後ろの右端に座る。
蒼太は護衛なので、命令がない限り座らない。表では護衛となり、身辺を守る事が仕事だが裏では俺の部下でもある。腕にはめている時計を見るとあと二十分か。ここは通信制限をかかっているが、生憎
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