追憶編
基地見学×組手
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のCADを持たせている。
「まあ何百人見ていますからな。何となくではありますが」
「なるほど。雰囲気で分かると、そう解釈してよろしいか」
そう言ったら頷いた。深雪も訓練した事あるから見学をしていたが、ロープでの訓練は終わった。その次は組手のようだ。近接格闘技は色々あるが、深雪にも護身術を教えている。空手と拳法の区別を知っている深雪は、興味がありそうな目で見ていた。
「一真さん、見ているだけではつまらんだろう。組手に参加してみないか?」
「折角ですからどの程度なのか、見させてもらいましょうか。蒼太は深雪から離れるなよ?」
風間大尉からの誘いに乗った。俺の相手は、二十代後半くらいの中肉中背の軍曹だった。蒼太は俺の代わりに深雪の傍にいる。
「一真さん、遠慮はいらないですよ。渡久地軍曹は学生時代、ボクシングで国体に出た実力者だ」
魔法抜きでもその程度の実力者か。普通なら強そうだと思うが、俺らはその程度と呼ぶ程だ。確か沖縄には、何らかの流派があると聞いたような気がする。試合が始まるとすぐに終わらせた。
渡久地軍曹から見たら、いつの間にか懐に飛び込まれて右手を鳩尾に突き刺したという感じだ。軍曹は声も出さずに崩れ落ちたが、両膝をついてそれ以上倒れるのを免れている。
「渡久地!」
見物していた軍人が慌てて駆け寄って、脂汗を流す軍曹に応急処置を始めた。俺は最初の位置に下がり一礼。深雪から見てもその姿は倒した相手に対して敬意を示すような感じだった。
「これはこれは・・・・『相変わらず凄いね。織斑少将は』」
深雪の隣でそう言った風間大尉だったが、途中から無言になった。深雪と蒼太と脳量子波で会話中なのだろう。真田中尉も表では目を丸くして絶句しているように見えたが、裏では流石ですとか思っているのかなと。
「南風原伍長!」
「ハッ!」
大尉の声に、二十代半ばの軍人が威勢良く進み出た。先程の軍曹よりかは痩せているが、ひ弱な印象はない。刃物のようなイメージがある者だな。指名をされたとなると先程のより強いのかな?
「手加減など考えるな。全力で行け!」
「ハッ!」
答えると同時にこちらに来る伍長ではあるが、俺にはゆっくりと見える。俺は、伍長の猛攻を紙一重で躱している。周りにいるギャラリーは「ほぅ」と感嘆のため息があちこちから聞こえる。実際やっている伍長も焦っている。繰り出されているパンチとキックを躱している。少し余裕を持っていた。
「実戦的ですね、彼は。相手が暗器を持っている可能性を想定した間合いの取り方です『織斑少将の組手は久々ですが相変わらずのようですね』」
「そうだな『流石と言っていい程だな』」
大尉と中尉の会話を聞いていた深雪と蒼太も分かっていた。それに裏
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