第三章
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ーキャラってタイプじゃないですし……」
こういった相対に自ら出てくるタイプでもない。
消去法で仕方なく出てやると言う感じが好きそうですし。
浅間は……出てこないでしょうね。
ユーキが敵って時点で平静を装うのに必死という感じですしね。
「俺は戦闘中にネイトを支援できねーから、戦いの前に言っとくけど……。まあ、頑張れ」
「……はい」
●
「話は終わったか?」
問いかけたのは正純だった。
彼女は聞きたいことがあったのだが、急に葵・ユーキが跳躍してミトツダイラの長ケースに飛び乗ったので、今まで聞きたいことを聞けずにいた。
ミトツダイラの事をズレていると言った理由。
「ああ、終わった。まあ正純の聞きたいことは解る。ネイトって騎士じゃん? 騎士は市民より地位が上だぜ?」
「だからミトツダイラは騎士として戦い、勝つんじゃないのか?」
「ああ、普通にやればあっちのメンツでネイトに勝てる奴は……いないはずだ。近接格闘ならまず勝てないと思う」
だが、ミトツダイラに勝つ心算がなければそこそこに戦って負けるだろう。
「何故、そう思う?」
「あいつ、アレだ。ここで負けて騎士やめれば三河の次期君主も考えなおさなきゃならなくなる、とか未来の事考えてんだろうよ」
騎士が市民に負ける。
……そういう事か。聖譜《テスタメント》の歴史記述では英国でいずれ市民による革命で王が処刑される。
その流れが六護式仏蘭西《エグザゴンフランセーズ》にも生まれ、市民が政治に関わるようになる。
市民革命を武蔵において行おうと……。
「諸国の王は総長だったり、生徒会長が兼任することが多い。だから、市民革命はその王様達に取っては今まで自由に扱ってきた権利、政策が自由に扱えなくなるってね。だからまあ、王様達は聖譜記述の歴史再現をセーブしつつ根回ししたり、保身の為に動いたり、って感じだ。それでも今ここで騎士であるネイトが負けるのは完全に聖譜記述に対する違法行為だけどな。それでも、各国の市民は権限の獲得を謳うことになるだろうさ。それを先導するのが……」
「武蔵の領民であった者達」
「Jud.、だから、まあネイトがここで勝ったのは良い事だろう。鈴が出てきたのもなかなか意表を突いた形だったけどな」
正純と葵・ユーキはミトツダイラの勝負を見ながら話し合っていた。
相対の勝負は一勝一敗。
次の正純と葵・ユーキの勝敗に今後の行方が委ねられている。
最後の相対であり、放送委員会の広報は、次の相対が討論になるものだと告げていた。
戦闘に巻き込まれる恐れなしと人々は最後の相対を見ようと、教導院を見通せるところに移動し、集まりつつ有る。
その証拠に通りや公園には便乗屋台が出店しており、通りに面した店は長椅子を道へと出して商売をしていた。
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