第三章
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を葵・ユーキはミトツダイラが持ち上げた長ケースの上から見下ろしていた。
「いや、そうでなはなくてですね……」
重くはないが、長ケースを下ろすのには邪魔なのだ。
皆がスクラムを組む中からトーリが首だけ振り向いて言った。
「あ、ネイト、ちょっと考えタイムな! あ、兄ちゃん何、面白そうなことしてんだよ!」
皆、一瞬だけちらりとこちらを見て、また額を突き合わせた。
●
「おいおい、どうするよ? 絶対楽しそうだぜアレ」
「そうじゃねーだろ」
葵・トーリに皆が突っ込みを入れた。
「自分、思うに、ユーキ殿はノリノリなネイト殿に乗っているみたいな……」
「点蔵君、減点で〜す」
「トーリ君、誰もが思っていた事を代弁してくれたので今は置いておきましょうね。それよりも、ミトは中〜近距離系ですから、遠距離系の私が弓矢でズドンとやりましょうか……」
「拙僧が思うに、点蔵は寒いこと言ったが、無視してシロジロが戻ってきたら銀弾を調達してだな……」
「二人一組でいいなら、ナイちゃんがガッちゃんと二人で空から遠距離で安全に……あ、点蔵は無視するね」
ミトツダイラは、クラス連中が外道だと再確認した。
「点蔵以外は割りとネイトの攻略法考えてんな」
「その点蔵にダメージを与えたのは貴方ですけどね……」
意味もなく、長ケースの上に乗ったのは私への援護のつもりだろうか。
葵・ユーキは、長ケースの上から静かに飛び、綺麗に宙返りをした後、着地した。
そしてそれを確認したミトツダイラは長ケースをそっと下ろす。
……何を考えているのかわかりませんわね。
ユーキもそうですけど、あちらの話し合いの内容も気になりますわね。
「何を話してる何て気にすんな。無意味だ。誰が出てきても良いように心構えしとけばいい」
「そう、ですわね……」
皆がスクラムを組んで何か良からぬことを話しているだろうが、私は……。
ミトツダイラの肩に触れるものがあった。
いつの間にか彼女の横に葵・ユーキがおり彼女の肩を抱き寄せたのだ。
そして、彼女の耳元で彼は話す。
「なあなあ、こうやってればあっちと同じじゃね? アイツらばっか仲良くしてるからこっちも仲良くしてようぜ」
「ち、近い! 近いですのよ!?」
光景としては、二人スクラム状態だ。
言い換えれば、抱き合っているようにも見える。
ミトツダイラの頬に葵・ユーキの頬が当たるほど密着したスクラムを組んでいる。
「あんまり大声だすなよ……。いいか? まずアデーレは従士だから排除だ。トーリは最後狙いだと思うからまず出てこないだろうし、喜美も出ないだろう。だとすると誰が出ると思う?」
「あ、その、たぶんですが、点蔵、ウルキアガあたりかと……。ネシンバラも怪しいですけどパワ
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