第三章
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「しかし意外ですわね。直政が武神乗りだとは知ってましたが、格闘戦の方をあそこまでこなせるというのは、驚きですわね」
「そうなのか?」
「直政って体術道場の師範のバイトしてるしな。色々と技を持ってるよ」
葵・ユーキが正純の問に答えて、ハイディが補足するように言葉の続きを作った。
「マサは小等部に入る前に武蔵にやって来たんだけどね、出身は、清の南部国境沿いの村だったから、凄かったんだって。敵は略奪してくるし、味方も徴収してくるしで、だから自治をやろうとして、武神の残骸を村で集めたんだって」
それが、色々とあって、
「――マサのものになって、機馬団は、敵味方構わず、横暴なのが全部叩き潰されたんだけど、村も壊滅したらしくてね……」
「オゲちゃん」
トーリがハイディの言葉を止めるように言った。
「そこまでにしとけよな。マサが言わないことをオマエが言ったらダメだろう」
「あ、そだね。Jud.、後でマサに謝っとくべきかな?」
「ハイディ、そこまでしなくていいだろう。そうだな、いきなりトーリに謝れたらハイディはどう思う?」
ハイディの言葉に葵・ユーキが例題を返した。
「んー、すごく気持ち悪いし、裏があるかと疑うよね。それにおかしくなったか、ユーキ君にすごく怒られたんじゃないかって心配するかな」
「兄ちゃんのゲンコツはいてぇからな。あと、俺、そんなにすぐ頭おかしくなるようなか弱いイメージ?」
正純は思った。もしかして、葵・ユーキがゲンコツするから葵・トーリは馬鹿になっていくのではないかと。
「しかし、心配じゃないのか? 直政は武神だが、シロジロはそうでもないだろ?」
敵とはいえ、クラスメイトである。
死んだり、怪我されたら後味が悪い。
「ハイディがバックアップしてるし、アイツ金に汚いから大丈夫だろ」
「もう、やだ。ユーキ君。そんなに褒めても何もでないよ?」
……褒めてないよな。私が変なのか?
誰も突っ込みを入れないのでそっとしておこう。
しかし、ユーキはいつも通りだな。
一応、聖連側で極東側のトーリ達とは敵対関係なのだが。
私とて、ユーキが完全に私の味方だとは思っていない。
予測はつく。
私の相対の時に何かしら動く気だろう。
私が相対する場合、討論になると思うが……。
ユーキ以外で私相手に討論で勝てる奴はいないと思いたい。
●
正純が考え事をしている間に、決着がついた。
「――正純、おい。聞いてるのか?」
「ん? あ、すまん。少し考え事をしていた」
わ、という町からの響きと、武神を救う人々の動きが見えてどちらが勝ったのか理解した。
「直政はどうなったんだ?」
「見てなかったのかよ。簡単に言えば、金の力で負けた。シロジロがうま
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