第三章
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ってるんだよ。ざっくりと言えば、神々の間のやりとりに金を使える」
そして、シロジロの声が聞こえた。
「――警護隊副隊長、以下百五十名。警護隊としての力を金でレンタルしている」
言われた彼らは頷く。
彼らは目を伏せ、それぞれは膝をついて不動の状態だ。
その彼らを見ていたハイディが彼らの代わりに声を作る。
「警護隊の労働力を、一括して時給払いで借り受けたの。警護隊も労働の神の加護を得ているから。あとは簡単。シロ君が契約してる神、サンクトの神社にお金を振り込んで、神社を仲介して労働の神の神社が管理する警護隊の労働力を買えばいいだけ」
正純の横にいる葵・ユーキが驚いたように言った。
「げ。シロジロの表示枠《サインフレーム》見えたけど、金使ってんなぁ……」
「一体幾らかかってるんだ?」
正純の問に答えるようにハイディが答える。
「神社側の査定で、警護隊の労働力は時給換算して一人一時間あたり、五人時間分と換算されたの。時給にして約五千円だけど、仲介料込みで倍払いで一万。それが百五十人分だから一時間百五十万ね――」
その金額が、急ぎであったため、シロジロのポケットマネーだという。
しかも、シロジロはそれを経費で落とそうとしている。
……総長連合の予算で出ないこともないが恐ろしい金額だ……!!
「今、私は百五十名の警護隊の力を一点に集中できる。重量換算すると、一人七十キロとして、約十五トンか。十トンクラスの貴様の重武神に対して充分だろ」
「充分かどうか。だったら勝負をしようじゃないか!」
●
シロジロと直政が操る地摺朱雀《じずりすざく》は町の方へ行ってしまった。
「もしもの話だが……。ユーキがシロジロと戦うとしたどうやって対応した?」
「うーん……」
葵・ユーキは少しだけ言い淀む。
視線の先にはハイディがシロジロに呼びかけていた。
『シロ君。町の方は気にしないで良いよ。機関部と交渉してマサの地摺朱雀《じずりすざく》の労働が町の建物に向かったときは止めるようにしてもらったから』
その光景を見ながら葵・ユーキは言った。
「どんな方法も使って良いって条件だから、ハイディを叩くのが一つ。後は、警護隊と交渉させないように先手を打っておくのが一つ。残りは、そうだな。逃げればいいんじゃない? シロジロの資金だって無限じゃないんだし」
その回答の最中で、シロジロは演説のように言葉を紡いでいた。
私も大まかに知っているが、さすがに商人だけあって、聡い。
簡単に言えば、多くの国は極東に借金をしている。
その借金は、極東が完全支配された場合には踏み倒されると言う。
借金を踏み倒されればどうなるのか。
その答えは、簡単だという。
多くの他国は自国が極東に預けた金の
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