第三章
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ように武神の目が光る。
「ちゃんと十トンクラスで、あたしの右手の遠隔操作で動く可愛いやつさ。作業用にパーツ換装してるからトルク重視で装甲も薄いけど、力では他国の重武神に比べてもいいセン行くと思うね。それを相手に出来るヤツは誰だい? その方法と結果を見て、見極めさせて貰うよ。武装解除された極東にも戦う手段があるかどうかをね」
当然、生身で重武神と戦いたいと思う相手はいないだろうが……。
「武神とサシでやれる人間なんて、各国の英雄クラス。向こうで言う立花・宗茂や教皇総長という八大竜王や、ガリレオのクラスだろう。こっちでいうとミトがそうかね? だけど、聖連に逆らうなら、そのくらいの者がフツーにいないと困る。どうだい? コイツとやれるヤツはいるのかい?」
直政は敢えてミトツダイラの名を使った。
パワーで自分に叶うのはミトツダイラくらいだと皆も知っていることだから。
……単純に、パワー勝負なら負けやしないけど、アサマチとか、ユーキが相手だと話は変わってくるだろうさね。
直政は視線の向こう側にいる浅間と、足元にいる葵・ユーキを目の動きだけで捉える。
見学する者達から無理だと小さな声が聞こえた。
……ユーキが教導院側にいたら間違いなく出てきたはずさね。コイツにゃ、時たま恐怖心が無いのかと、ゾッとする思いをする時がある。
それに、あたしと同じで恐らく気持ちとしては教導院側だと思う。
ホライゾンを救ったら馬鹿な姉同様で、ユーキも割を食うはずなんだがね……。
まあ、今は、目の前の商人を倒すことに集中するとしようか。
●
「なあ、ユーキ。シロジロは大丈夫なのか? さすがに死人を出すのは……」
「まあ、アイツは守銭奴で商人だから大丈夫だろう。ハイディの仲介支援もあるし」
正純の問に葵・ユーキは簡潔に答えた。
「シロジロには金の力がある。まあ、見た方が早いだろう……。トーリはシロジロに無茶振りしたつもりらしいけど、理に適っているはず……」
「ユーキにしては自信なさ気だな……」
「馬鹿は常に進化する馬鹿だ。トーリほど予測不能な動きをするやつを俺は知らない」
そこ、自慢するところじゃないぞ。
「――派手にいくよ!」
あ、という間に――。
言葉と共に、直政が操る重武神のスマッシュブローがシロジロに叩きこまれた。
――潰れたミンチの死体なんぞ見たくないぞ……。
「正純」
葵・ユーキに言われて現実を見る。
「……無事?」
直政も私と同じ事を言ったらしい。
見れば、地摺朱雀《じずりすざく》の拳が、シロジロの交差された両腕の先で止まっていた。
そう、透明の壁にでも守られているかのように。
「無事だ。シロジロの契約してるのは、商業の神だけど、商業神って他の神に対してある力を持
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