第7話 蟻の思いも天に届く、故に士郎は一子を押し上げる
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」
「じゃ、じゃあ、普通じゃない方法が有るの?」
ええ、と笑顔で答えるジャンヌ。
とにかく靴を履かないと始まらないのは同意できるので、言われるがまま玄関に向かい靴を履く。
「さて、じゃあ行きましょうか?失礼しますね、一子さん」
「え?え、え、わっ!?」
ジャンヌが一子に声を掛けるや否や、お姫様抱っこしだした。
「ジャ、ジャンヌさん!?」
「後これも、一応付けてくださいね」
「え?これって?」
「簡易携帯型酸素マスクですよ。一応それを付けてくださいね」
要領を得られない様だが、言われるがまま装着する一子。
「それでは行ってらっしゃいませ、お嬢様」
「壁やら車やら家の屋根やら壊さない様にな、ジャンヌ」
「酷いですね、士郎。私はそんなことしませんし、したこともありませんよ」
相変わらず一子だけにとって要領を得られない会話を続ける3人。
当の一子は、頭上にクエスチョンマークを浮かべていた。
「兎に角時間も差し迫っている事ですからもう行ってきますね、2人とも」
「気を付けてな、ジャンヌ」
「はい。では一子さん、しっかりとつかまっていてくださいね」
一子が返事を返す前に、ジャンヌは二人の前から消え去った。
−Interlude−
一子は今、風間翔一がよく口に出す風になるという言葉通りになっていた。
その理由として、ジャンヌが一子をお姫様抱っこした状態で屋根を伝ったり、人気の少ない道路を迅雷の如きスピードで駆けぬけているからだ。
ジャンヌは元は名前の通り、フランスの元救国の聖処女だ。
更には、英霊の座にまで祭り上げられてから聖杯戦争後、受肉して第2の人生を初めて数年後には第3の人生を半ば強制的に開始させられたのだ。
その時に、元のステータスが其の儘ついてきたわけじゃないが、そんな経歴を辿ったジャンヌはかなりの潜在能力+底上げされてから生まれて、今日までその力に溺れず驕らずに鍛錬し続けてきた結果、この世界で言う壁越えで武神をも超える力量を現時点で持っていた(才能面では百代の方が上)。
足の速さはヒュームや士郎程では無いものの、彼らに迫るスピードも獲得しているのでこの速さなのだ。
一子は酸素マスクを付けたまま真剣な表情をしたジャンヌを終着まで見つめ続けていた。
ーInterludeー
遅刻か否かのチャイム音が鳴る5分前。
「はい、到着です。大丈夫でしたか?一子さん」
「・・・・え?あっ、う、うん。大丈夫よ」
「そうですか、ならお互い早くクラスに行きましょう」
そう言って素早く上履きに履き替えて、階段を上がろうとしたところで後ろから、一子の待ったがかかる
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