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東方紅魔語り
第一章 紅魔館
Part5 充電
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うに、空中をぴょんぴょんと飛び跳ねる。

 「やったー!じゃあ行くよ〜」

 ……行く?
 その言葉に疑問を持つ。次の瞬間、フランはカードを懐から取り出した。

 「……ふ、成る程、遊ぶっていうのはそういう事でしたか……」

 カードを上空に掲げ、高らかと宣言する。

 「禁弾『スターボウブレイク』」

 七色の球体が無数に飛び出し、それらは一気に上空へ登っていった。
 そして、時間経過と共に、その球体は此方目掛けて・・・いや、此方がいる空間を纏めて埋め尽くすように落下してくる。
 速度の速いもの、遅いもの、斜めに落下してくるものが絡み合いながら、逃げ場所をみるみるうちに奪っていく。
 そして当の俺は。

 「……ははっ、『耐久力を100に』」

 目の前が七色に染め上がった。






 「成る程、よほど死にたいのね、貴方」

 「返す言葉も見つかりません、ハイ」

 咲夜に包帯を体に巻かれながら言葉を返した。
 先の戦闘により、何発か攻撃を耐えたものの長くは保たず、気を失ってしまったのだ。

 「昨日は私、今日は妹様……、この分だと、明日はまた誰かとやる流れになるのかしら」

 「止めて下さい死んでしまいます」

 結構冗談抜きで死んでしまいそうだ。
 というより、ホントなんなんだ、あの攻撃……。

 「まあ、あの妹様から生還しただけでも幸運よ」

 そうだろうな、と心の中で納得する。ただの人間にあんな猛攻仕掛けてくるなんて、正気の沙汰じゃないぜ。
 ……まあ、俺のフランlikeは変わらんが。

 「さて、と。包帯も巻き終わったし、後は安静にしときなさい。2時間後、ロビーに集合ね」

 「ロビー?」

 俺が疑問の声を漏らすと、咲夜は館の見取り図のようなものを取り出し、それを手渡してきた。

 「ほら、これを見れば分かるでしょう」

 咲夜はそう言うと、部屋からサッサと出ていってしまった。忙しいのだろう。メイド長だった筈だし。
 とりあえず、手渡された見取り図に目を通してみる。
 見取り図には、館の中心近く、二階辺り、そこの部屋に『ロビー』と書かれていた。

 「よし、ここに向かえばいいのな……って、ん?」

 少し違和感を覚えた。
 えーと、この見取り図の二階中心付近にロビー。これは分かる。
 ただ、分からないことが一つ。
 ……すみません。俺、どの部屋にいるんでしょうか?

 もし見取り図を持っていたとしても、自分の部屋が分かっていなければ『何処から目的地を目指せばいいのか』が分からず、結局迷子になってしまう。

 「……寝るか」

 現実逃避をするために、ベッドへ潜り込んで目を瞑った。
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