第一章 紅魔館
Part5 充電
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黙って付いていく事にした。
ジメジメとした階段を降り切った先の地下室に、その少女はいた。
七色に輝く翼を動かしながら、その少女は人形で遊んでいる。
「ねえフラン」
姉・レミリアの声が聞こえた瞬間に、少女・フランドールは止まり、肩越しに此方を見た。
「なに?お姉様」
「フラン、レーヴァテインを出してくれる?」
その言葉に少し首を傾げたフランだったが、やがて一枚のカードを取り出した。
ふっ、とそのカードへフランが息を吹きかけると同時、突如として炎が吹き荒れた。
カードから巻き起こった炎は、少しずつ剣のような形へと姿を変えていく。
「んー、これくらいの出力でいーい?」
「あんたにしては中々いいレベルよ。ほら、その機械貸しなさい」
レミリアが此方へ手を伸ばして言ってくる。
まさか燃やす気じゃないだろうな?と思いつつ、ゆっくりとした動きで充電器と携帯を取り出し、レミリアの掌へ置いた。
レミリアは充電器のコンセント部分をレーヴァテインに近付け、少し目を細めた。
瞬間、携帯の電源が付いた。
充電が急速に回復していく。
「え……は……え!?」
何が起きたか分からなかった。
レミリアはふー、と息をつくと、充電器を手渡してくる。
「とりあえずはOKね。ただ、毎回こんな事する訳にもいかないし、何らかの方法を考えないとね」
そう言うと、レミリアは背を向けて帰ろうとする。
「ちょ、待って下さい!これ、どうやって……!?」
「秘密」
そう言い残し、今度こそレミリアは消えた。
手元には、充電器と携帯が残っている。
携帯を起動してみたが、どこにも不自由は無い。
「ほい、と」
背後から声が聞こえてくる。
振り向いてみると、そこには炎の剣を消している途中のフランがいた。炎が完全に消滅した後、フランはカードを懐にしまった。
……一応、聞いておくことにしよう。
「フランドールさん?今、レミリアさんは何を?」
「んー?知ーらなーい」
床に座り、足をバタつかせながらフランは口を開いた。その動作に悟りを開きかけたが、とりあえず抑えておく。
……因みに弁解すると、俺は決してロリコンではないので悪しからず。
「ねーねー」
フランは座ったまま床を足裏で蹴り、跳ね上がるように立ち上がった。
「私さあ、暇なんだけど遊んでくれない?」
「喜んで」
今1番の顔で了承する。
なに、『遊んで』という事は人形とかで遊ぶだけだろう。それだけなら問題ない。
その了承の言葉を聞いたフランの表情は一気に明るくなり、嬉しさを体全体で表すよ
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