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東方紅魔語り
第一章 紅魔館
Part5 充電
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 「マジ有難う御座います。貴女は俺の恩人ですよ」

 「たかだか忘れ物を届けに来たくらいで大袈裟な……」

 目の前にいる女性、十六夜 咲夜は少し引き気味にそう言った。
 咲夜がこの部屋へ入ってきた時には軽く『死』を覚悟したが、ただ忘れ物を届けに来てくれただけらしい。
 そして、俺からしたら大袈裟などでは無い。これが無ければ不安で仕方ないレベルだ。

 「一応、レミリアお嬢様の命令だから普通に接してるけど、もしお嬢様達に何かしたら覚悟なさい」

 そう言うと、咲夜はそそくさと部屋から出て行った。
 咲夜が居なくなった後、暫しの静寂が訪れる。

「……さて、早速充電するか!」

 バッグの中から充電器を出して、部屋の中を見渡す。
 後はコンセントを刺すだけでいいのだ。そう、後はコンセントを刺すだけで……。コンセントを……。

「刺す場所が無い……だと!?」

 まさかの展開。
 いくら充電器があろうと、コンセントを刺す場所が無ければ話にならない。
 どうしろと言うのだ。

 「おーい、部屋の中とかは大丈夫だった?」

 「ナイスタイミングお嬢様!」

 そこへタイミング良く、レミリアが部屋へ入ってきた。
 いきなり叫ばれたレミリアはビクッと肩を震わした。

 「な、何かしら?」

 レミリアは驚いた表情のまま訪ねてくる。

 「えーと、こういう物を刺す場所ってあります?」

 充電器のコンセント部分を指差しながら問う。
 レミリアはコンセントをまじまじと見た後、首を軽く横に振った。

 「残念だけれど、それを刺せそうな場所は無いわね。っていうか何なのそれ」

 希望はなくなった。
 目の前の首を傾げているレミリアへ事情を話してみる事にした。

 「それがですね……」




 「つまりは、その携帯?とやらが無くては、能力が使えないって事ね?」

 大人しく頷く。
 うーん、と唸りながらレミリアは口を開く。

 「……ねえ、その携帯ってのは、一体何を供給すれば動けるようになるの?」

 「電気ですけど」

 そう言うと、レミリアは少し考えるように顔を俯け、数秒後、顔を戻した。
 何か思い付いたのか、少しばかりの笑みを浮かべている。

 「よし、フランの場所に行くわよ」

 「え?」

 なぜフランなのだろうか?
 何かあったか?この状況を打破できるような何かが。
 確かフランの能力は『ありとあらゆるものを破壊する』というものだったから、恐らく能力関係では無い。
 一体何を……?

 「さあ付いてきなさい」

 問おうとも思ったが、素直に答えてくれるか分からないから(下手に言葉を発して不機嫌にでもしたら殺されそうだし)、
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