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魔法少女リリカルなのは〜"死の外科医"ユーノ・スクライア〜
番外編
File.2〜アリサ、すずか誘拐事件〜
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嫌な予感がして、男は後ろを振り向く。
すると・・・・・・・・・・・・・・・。
「う、うわあああああああああああああああああああああああああああああ!?」
なんと、ユーノの腕が背中にくっつき、その腕が、先ほど自分が放った黒炎で燃えていたからである。
そして、黒炎はユーノの腕を焼き尽くし、彼の体にまで着火した。
「ぐ、ぐああああああああああああああああああああああああああ!?消えろ、消えろ、消えろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」
彼は必死に黒炎を消そうとするが、全く消える様子はなく、黒い炎が男を焼き尽くしていく。
「た、頼む。助けて・・・」
「あなたでさえ制御できないレアスキルを僕がどうにかできるわけないじゃないですか。今まであなたが焼き尽くしてきた人の恐怖でも味わってなさい」
冷たく突き放され、男は絶望する。
やがて、痛覚がなくなるほど焼き尽くされると、ユーノが一足で近付き、男の腹に掌打を加える。
すると、男は気を失い。彼を焼いていた炎も嘘のように消滅した。
「殺しはしない。君にはその価値もない」
ユーノはこの短時間で、彼の能力を解析し、黒炎を消滅させる即席の対抗魔法を編み出していたのである。
本来、凡庸的な魔法ならともかく、レアスキルともなれば、解析や対抗魔法の構築には月単位の時間がかかるものだが、それを僅か数分で行ってしまうのは、ひとえに、ユーノの天才的な頭脳と無限書庫での膨大な知識の賜物である。
こうして、アリサ、すずか誘拐事件は幕を閉じた。
その後ユーノは気絶しているアリサとすずかの拘束を解き、逆に犯人たちを縛り上げると、匿名で警察に連絡して、その場を立ち去った。
『それで、君は左腕を失い、頭部に重傷を負ったというわけか、間抜けにも程があるね、ユーノ』
「そう言うなよ、スカリエッティ。僕としては彼女たちが無事だったらそれでいいんだからさ」
『ふん。私には理解できないよ。どうして君は他人のためにそこまでできる?片腕をなくしてまで。本当に無欲だね、君は』
「無欲?バカ言っちゃいけないよ」
そして、ユーノは今までで一番真剣な声で答える。
「欲のない人間なんているものか。僕は君と同じくらい、いや、多分
君以上
(
、、、
)
に強欲な人間だよ。ただ、君の欲望のベクトルは
自身
(
うち
)
に、僕の欲望のベクトルは
他人
(
そと
)
に向いている、ただそれだけの違いだよ」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
「それよりも、スカリエッティ。君に頼みがある」
『何だい?義手の用意でもすればいいのか?』
「ああ。だけどそれだけじゃ足りない。
僕を戦闘機人にしてくれ
(
、、、、、、、、、、、
)
」
『正気かい?』
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