ファーストアラート
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オに話が振られる。
「僕は本局育ちですので・・・・」
その一言に勘のいいティアナは直ぐに気付いたが・・・・。
「本局?住宅エリアってこと?」
鈍いスバルは気付かずにそのまま尋ねた。
「いいえ。本局の特別保護施設育ちなんです。8歳までそこにいました」
「あっ・・・・!!」
(馬鹿スバル!!)
(あ、あははは・・・・)
エリオの地雷をうっかり踏んでしまったスバルにティアナが念話で注意してきた。
「あ、あの!!気にしないでください!!優しくしてくれましたし、全然普通に幸せに暮らしてましたんで・・・」
「そうそう。そのころからフェイトさんがエリオ君の保護責任者だったんだよね」
「フェイト副隊長が・・・?」
シャーリーの言葉に剛が聞き返した。
「はい。物心ついた頃からよくしてもらってて、勉強も魔法もフェイトさんに教えてもらいました。フェイトさん、子供の頃に家庭のことでちょっと寂しい思いをしたそうで、悲しい子供や寂しい子供のことをほっとけないそうなんです。『自分も優しくしてくれるあったかい手に救ってもらった』からって」
「それ、凄く分かります!!」
エリオの言葉にキャロが同意する。
「私もフェイトさんに引き取られてあったかい手で握ってくれたから『ここにいてもいいんだ』って思えるようになったんです。だから、フェイトさんにはとっても感謝しています!!」
「う〜〜〜。エリオ〜、キャロ〜!!」
「きゃっ!!スバルさん!!」
「ちょ、ちょっと!!」
瞳にかすかに涙をにじませたスバルがエリオとキャロを抱きしめ、ティアナはその様子に少し呆れながら、シャーリーは微笑ましそうに眺めていた。
そのため、誰も剛が苦虫を噛み潰したような表情で二人を眺めていたことには最後まで気付かなかった。
その後は剛の持つ『気』について一通り説明し、正確には希少技能でも何でもない普通の技術であるが、管理局では認知されていない力なのでレアスキル扱いとなり、あまり他言しないように言い聞かせた。
余談であるが、肉体派であるスバルとエリオが気功術に興味を示したらしく、訓練の合間に教えることを約束するのであった。
翌日、剛は誰よりも早く起床し、隊舎の裏手の森の中で武術の型の練習をしていた。
「フッ!!・・・・ハッ!!」
その動きは最初は太極拳の様に体の動きを整えるための緩慢なものから徐々に瞬動も織り交ぜた激しいものに変わっていった。
「フ〜〜〜〜〜〜〜〜」
春の早朝ということもあり、大して汗もかいていない剛は一旦部屋に戻ろうと隊舎に向かったが・・・・・。
「く〜ん?」
そこで隊舎の方から出てきた赤い子犬を見て足を止めてしまった。
「「・・・・・・・・
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