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東方紅魔語り
第一章 紅魔館
Part4 紅魔館
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としか答えられない。
 もう諦めて適応した方が楽なのかもしれないな。と少し真剣に考える。

 「……なんだろう、考えんのが怠くなってきた」

 どうせ帰る方法など分からない。 ならばこの状況を楽しむ事こそ最善ではないか?
 携帯を取り出し、アプリを起動する。
 何かを0にすることも出来れば、何かを100にすることも出来る、不思議な力を持つこの携帯。
 東方風に言うとしたら・・・『100と0を操る程度の能力(携帯)』と言ったところか?

 「……この世に神がいたのなら、俺はこう言いたい……。なぜ携帯に能力つけたし」

 出来れば俺自身にしろよ神様。
 と、そこで俺の身に不幸が訪れた。

 ピーー。

 響き渡る、笛のような高い音。
 なんの音だか分からなかったが、その疑問はすぐに解消された。
 ……携帯の充電が切れた。

 「……まあね、やっぱり現実は甘く無いと思ってたよ。うん」

 だがこんな時の為に、充電用の充電器は常時持ち歩いているのだ。
 その充電器を持とうと手を横に伸ばして、ようやく気が付いた。
 ……俺のバッグ……何処いった?

 「……あれ」

 ベッドから立ち上がり、急いで辺りを見渡す。
 確か、俺はミニバッグを持ち歩いていた筈だ。それは確かに廃墟の時まではあった。
 だが今は何処にも無い。
 記憶を張り巡らし、落としてそうな場所を検索していく。

 レミリアと話していた時には無かった。
 咲夜との戦闘時も無かった。
 能力に気付いた時にも無かった。
 フランと初めて会った時には……。

 あった。

 つまりは、フランと会ってから無くした。
 いや、落とした……。

「ヤバい!早く回収して充電しないと・・・」

 よくお分かりだろうが、能力は『携帯』が持っているのだ。俺では無い。
 つまり、もし咲夜に襲われでもしたらナイフの一撃で死ねるだろう。
 先の戦闘も、あの能力があったからこそ生きていたようなものだ。

 「クッソ、待ってろよ充電器!!」

 そういい、扉の目の前まで行くと、ドアノブを捻って一気に引いた。
 そして無言で閉めた。

「……よく考えたら、俺、道知らねェわ」

 ……誰かが届けてくれるだろう。
 そんな淡い期待をして、俺は再度ベッドに転がった。
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