第一章 紅魔館
Part4 紅魔館
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の」
更にレミリアは話を続ける。
「で、咲夜とやりあったと言われる貴方が入れば、此方は単純計算で、戦力が咲夜一人分ほど上昇する。ここに住む間、衣食住は確保してあげるわ。どう?魅力的じゃない?」
つまりは、『住む場所は確保してあげる代わりに、戦力として戦え』という事か。
どうしようか、とポケットの中に入っている携帯を触りながら考える。
正直、衣食住を確保してくれるのは有難い。帰る方法が分からない以上、何処かで雨風を凌がなければならないのだ。
だがしかし、不安があることは間違いない。
目の前のレミリアは、どうも俺を過大評価し過ぎてる。咲夜とやりあったとはいえ、此方は一方的にやられただけだ。
恐らくレミリアは、『俺が咲夜と同じ力を持っている』ものとして話を進めていくだろう。
レミリアの頭の中では、咲夜=俺 という図式が立っているに違いない。実際は、咲夜>>>俺 である。
さて、どうするか?と迷っていると、レミリアは首を横に動かし、咲夜を見ながら
「そういえば咲夜、紅茶の材料が足りなくなってたわよね。確か材料は人間の血だった筈ー」
「喜んで戦力になりましょう」
どうやら此方に選択権は無かったようだ。
遠回しな脅しに屈した俺を見ながら、レミリアは満足そうに頷く。
「じゃ、付いて来て。貴方の部屋はもう用意してあるわ」
どうやら俺が入ること前提で話を進めていたらしい。なんて理不尽な。
そんな俺を後目に、レミリアは背を向けて歩き出した。
付いて行こうとしたが、携帯の設定がそのままになっている事を思い出し、ポケットの中から携帯を取り出して画面を確認してみる。
アプリはまだ起動していた。
少し迷ったが、タスクを切ってアプリを落とし、再度ポケットに押し込む。
そして、早足でレミリアへ付いていった。
そして数十分経過し、ようやく部屋についた。広すぎる、この館……。
「はい、この部屋は好きに使ってもいいわ。じゃあ私は用があるからこれで失礼するわね」
そう言うと、レミリアは咲夜を連れて廊下の奥へ消えていった。
踵を返し、部屋の扉を開ける。
中の部屋は意外と普通で、何処か文句をつけるような箇所は無い。広さもちょうどいいくらいだ。……部屋の壁や天井が、全て赤で統一されているのは受け入れるしかない。
とりあえず、部屋の中にあったベッドに腰をかけ、一休みした。
「ふう……じゃねェよ俺!」
くつろいでいる自分に喝を入れる。
「なに極普通に会話したりくつろいだりしてんだ俺……、よく考えてみれば、ここが何処だか分かんないんだぞ!!」
だが、ここが何処だか知る方法があるか?と聞かれたら、『無い』
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