暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
マクロスF
0778話
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 悔しそうに唇を噛みしめるキノコ。
 ……なるほど。こうして見たところ、フロンティア船団から脱出する時の手駒としては便利に使われたが、逆に言えばそれ以降は用無しになってしまったんだろう。
 まぁ、そのおかげかどうかは分からないが、バトル・ギャラクシーに残っていてニーズヘッグのラグナロクを食らって消滅する事が無かったんだと思えば、世の中何が功を奏するのか分からないものだ。

「お前が生きていたのなら、ある意味では丁度いい。グラス大統領と交渉する際のいい手土産になるだろう」
『ま、待ちたまえ!』

 慌てたようなキノコを無視しつつ、思わず笑みを浮かべる。捕らぬ狸のなんとやらかもしれないが、大統領暗殺未遂、同時多発テロ、アルカトラズの襲撃と、警備兵の殺害。更にはランカの誘拐やフロンティア船団脱走時に新統合軍の戦力に与えたダメージもある。正直な話、1つでも極刑になるだろう罪をこれだけ犯しているのだ。それを思えば、フロンティア船団に引き渡すと言われて頬を引き攣らせるのも分からないでは無い。
 ……まぁ、今俺が挙げた中にはグレイスが糸を引いていたものや、あるいはキノコの部下が勝手にやったものもあるのだろう。だがグレイスは既にいないし、部下の責任は上司の責任。手土産になって貰うとしよう。

『だから、待ってくれたまえ! その……そう、良ければ少し交渉を……』

 さすがに向こうも死ぬのは嫌なのか、表情を引き攣らせながら必死に言ってくるが……交渉と言われてもな。こいつにどんな使い道が……いや、待てよ?
 ふと、とあるアイディアを思いつき、それがいけるのかどうかを頭の中で組み立てていく。
 そして1分程後。

「レオン、お前は生き延びたいか?」

 そう尋ねるのだった。
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