第二章
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イツなりに馬鹿なりに考えて動いている気がする」
「……悪評だな。まあ気に留めておく」
そして、階段の上に四つの影が見えた。
ネシンバラ、ハイディ、シロジロと何かの塊だった。
「はぁ。カーテンに巻かれたトーリか……」
「ああ――。これは……今は春巻きだ」
シロジロが言うと、春巻きが動いた。
「ちげぇーよ! 巻き寿司だよ! 海苔が白だからライスペーパー! わかってねぇな!」
春巻き……、否、階段上で抗議していた巻き寿司が動き、階段から転げ落ちてきた。
白い布。つまりはカーテンの開示により、葵・トーリの全裸が現れた。
「――あ?! 兄ちゃん何してんの? 女二人とセージュン連れて四人プレイかよ?! まあいいや。俺ちょっと巻き足りなくてもう一回巻き寿司するから巻くの手伝ってくんね?」
「相変わらず馬鹿だな。愚かなる弟。立ち位置に戻れ!」
葵・ユーキが弟である葵・トーリを蹴りあげた。
打ち上げられた全裸は回転しながら階段上にいるネシンバラの足元に落ちた。
落ちてなおスピンしてネシンバラを巻き込もうという勢いだったが、ネシンバラは当然避ける。
「実の弟に容赦無いよね」
「実の弟だからこそ。遠慮はいらないだろう?」
「ユーキが馬鹿の敵とはな……実に珍しいが金にはならん」
溜息。
そして、
「――ここで改めて挨拶をしよう」
正純が宣言する。
多くの人影が見守る中、彼女は言う。
「武蔵アリアダスト教導院副会長、本多・正純。そちらが開く臨時生徒総会を認めた上で全校生徒への提案に来た。こちら、機関部代表の直政と、騎士階級代表のネイト・ミトツダイラ。そして――葵・ユーキも参考人として来ている」
周囲がざわめく。
それはそうだろう。
葵・ユーキは何の代表でもなくここにいる。
しかし、彼の顔は広い。
周囲のざわめきは驚愕だと思う。
その驚愕は、対峙するクラスメイト達にも見て取れた。
●
敵か、味方か。
ふらふらと動くには意味があるかもしれない。
配点:(立ち回り)
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