第26話
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「バイバイ!」
丹下の言葉と動きに、まったく反応出来なかった。瞬く間に意識を失い、活を入れられて気付くまで、何をもらったか、丹下が何をしたのかすら分からなかった。
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周りの生徒が声も出せない中、気絶している篠ノ之の背に活を入れ、目覚めを促す。決めたのは何ということはないボディブロー、エネルギー波付きの、だが。夢の中であれだけ織斑先生と戦ったのだ、篠ノ之の力量とISは素晴らしかったが、相手が悪かった、としか言いようがない。そしてゼロ、篠ノ之博士の目論見が外れたからって、そんなに嬉しそうな顔になるんじゃない。
篠ノ之博士はおかしそうに首を傾げている。相当ISと妹の技量に自信があったのだろう、考え込んでいるようだ。
「どうだ、丹下、篠ノ之のISは?」
「現行のISを置き去りにしているのは間違いないかと。乗り手次第ですが」
織斑先生の問いに自嘲を含めて答える。どんなに高性能だろうと、操縦者がそれに見合う力量を有していなければ、力の半分も出せはしない。それを身を持って痛感してきたからこそ、そう答えた。
答えを聞いた織斑先生は、篠ノ之博士を厳しく見ている。篠ノ之博士が敵であるかのように。
しかし、その視線も普段以上に慌てた様子の山田先生の声で無くなり、手渡された小型端末の画面を見て、顔を曇らせる。
事態は、思わぬ所で物凄い速さで進んでいた。
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ビーチから旅館の大座敷に専用機持ちと教師陣が集められ、突如移行した特殊任務行動についての説明が行われていた。
二時間前、ハワイ沖で試験稼動中の軍用ISが暴走、監視領域から離脱、約五十分後、この近くを通過するらしい。
この事態に対処するべく、教師たちが空域と海域の封鎖を行い、俺達専用機持ちがISを叩く。これが大まかな内容だ。
オルコット達がISのスペックを見て意見を交わす中、俺は奇妙な『不自然さ』を感じていた。
確かに試験中に暴走する可能性はあるが、その前に万全の対策を取っている筈。その上、この近くを通過する、動く方向は別でもいいのに何故専用機持ちが居るこの方向に来たのか?何より、
「待った待ーった。その作戦はちょっと待ったなんだよ〜!」
篠ノ之博士の存在だ。新型のIS、軍用ISの暴走、タイミングが良すぎる。まさかとは思うが、全て一人の人物が仕組んだとしたら?
…だが確たる証拠も無ければ、実行する方法も無い。疑念だけだ。
博士に対する疑いを払拭出来ない中、その篠ノ之博士が爆弾発言を投下した。白式、紅椿とアルファーは第四世代ISだと。世界各国の努力を無に帰す、無慈悲な発言だった。
「だろうな」
「トモ?」
周囲が黙る中、紅椿と刃を交わした俺には衝撃は無かった。少し、雪平の雰囲気を感じただ
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