第三十話 ルミネ
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
に行くのか……自分達の生まれ故郷を捨てて…」
舌打ちしながら再び施設に戻る。
報告書の提出をするのを忘れていたのだ。
真新しい床が天井からの光を反射していた。
沢山のレプリロイドが忙しなく行き交う廊下を進んで、いくつかの角を曲がった先に目的の部屋…管理官の執務室がある。
ルナ「ルミネ管理官、入りますよ」
ルミネ「どうぞ」
部屋に入ると白と紫のレプリロイドがいて、ルナは一礼をすると報告書を渡す。
ルナ「今日の報告書です。」
ルミネ「ご苦労様です。ルナ、これから気分転換にヤコブの周辺を散策しに出掛けようとしていたところです。ご一緒しませんか?」
ルナ「は?あ、はい。私でよろしいのであれば……」
ルミネ「勿論ですよ。では行きましょうか」
軌道エレベーター・ヤコブの管理官であるルミネ。
紫色の髪と白いアーマーが特徴的な新世代型レプリロイドだ。
その彼が、今まさに密林の地平線に沈もうとする夕日を見つめながら、金色の隻眼を柔和に細めている。
時々だが、彼とアクセルがダブる時がある。
性格は正反対。
アーマーの色も正反対。
しかしあの時見たアクセルとルミネはあまりにも酷似しすぎていたからかもしれない。
ルミネ「美しい夕焼けですね。執務室からの風景も素晴らしいですが、こうして地上から見上げる夕日も素晴らしい」
ルナ「え?あ、そうですね…」
今までルナの周りにはいないタイプのレプリロイドにルナはどう対応していいのか分からないのか、視線が泳いでいる。
ルミネの瞳にイタズラっぽい光が宿る。
ルミネ「ああ、そうだ。私のことはルミネと呼んでください。出来れば敬語も使わずに接してくだされば嬉しいのですが」
少し警戒してみれば案の定、にこにこと楽しそうに笑ってそんなことを言ってきた。
ルナ「は?な、何でですか?」
ルミネ「私としてはあなたと親密になりたいのです。」
ルナ「いや、でも上司ですから…」
ルミネ「では、上司命令です。敬語は止めて下さい」
ルミネの言葉にはどこか有無を言わせない迫力があった。
ルナ「……………分かったよルミネ…これでいいか?」
ルミネ「はい………、こちらでの勤務はもう慣れましたか?」
ルナ「ああ、最初は戸惑うこともあったけど何とかな」
やはりハンターベースとは勝手が違い過ぎて慣れるのは大分かかった。
ルミネ「それは良かったで
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ