暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第百二幕 「三人寄ればって言うけどダメなときはやっぱりダメ」
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


かたかたとキーボードを叩く束博士の目は真剣そのもので、何一つ事実を見逃すまいと目を光らせていた。山田先生もだ。そして私は――私はこの場合、どうすればいいんだろうか。

突然、「パターン青、使徒です!」とか叫んで前世の記憶を披露するべきなんだろうか。それとも事態を静観するべきなんだろうか。
エヴァンゲリオンとIS。まったく接点がないように思える。というか、IS世界の兵器ではA.T.フィールドを突破できないのではないかという根本的な疑問を口にするのが怖かった。なぜなら、それが事実である場合はベル君は永久に――

「佐藤さん、大丈夫ですよ」
「あ・・・・・・」

山田先生が私の肩に手を置いた。それで初めて気づいたが、私の肩はどうやら震えていたようだ。

「ベルーナ君は助けます。こちらには天才と天災が揃っています。悲観するには早すぎます」
「はい・・・」

悲観するには早すぎる、か。確かにまだあれが私の知っている使徒と同じものであるとは限らない。ひょっとしたら、よく似ているだけで別のものかもしれない。はたまたISならば倒せるかもしれない。まずは一つ深呼吸。吸って、吐いて、平常心。よし、一先ず震えが止まった。

この世界に生まれ変わった時、信じられない気持ちでいっぱいだった。
ISの世界であると知った時も、やはり信じられない気持ちになった。
そして今、再び私は信じられない事態に直面している。
でもたった今それについて深く考えている暇はない。あの大穴の中でベル君がたった独りで取り残されているという事実が、ともかく目の前の状況から整理するという行動を取らせてくれた。

「束博士!その黒くてデカイのは移動とかしてるんですか?」
「ん・・・まぁ非常時だしお前の発言も許してやるか」
(・・・・・・まぁいいけど、いいけどさぁ。もうちょっと言い方ってものが・・・)
「答えはノーだよ。あの場からほぼ動かない」

エヴァの使徒は大三新東京市の地下を目指して動くという特徴がある。正確には地下にある・・・なんだっけ?アダムだかリリスだかを目指しているのだ。それがないという事は、やっぱり使徒の事情がエヴァ原作とは違うようだ。

「ただ、影の直径680mの範囲にある木々や岩、大地どんどん崩れて中に呑み込んでる・・・・・・っと、内部について情報が来たよ〜」
「あれの中はどのようになっているのですか?博士!」
「・・・・・・自衛隊のC型でなくてウチの観測道具ならもうちょっと探れるんだけど・・・内部はディラックの海・・・すごーく簡単に言ってしまえば私たちがいる空間の裏側って感じ?とにかくこちらからは干渉の出来ない別の空間を形成してて、それを正体不明のエネルギーで丸めて抱え込んでるみたい。レーダーやソナーを放っても反射が帰ってこない事
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ