第一章 小問集合(order a la carte)
第九話 諸勢力の思惑
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を仮面で隠しながら彼女の返答を待っていると………
「だからね……お願い、貴女に協力して欲しい。」
「はい?」
思わずすっとんきょうな声が出てしまった。
だってそうだろう、何故彼女は僕に対して土下座をしているんだ。
「貴女には是非御輿に乗って欲しいのよ。」
そして聞かされた内容のあまりにもあまりな話に、僕は少しめまいを感じた。
どうにか嘘だと言って欲しかったが、友香さんの事情のことも聞かされ、さらには拝み倒されまでして遂に僕は彼女の話に乗ってしまった。
もしかしたら、僕はこの時道を踏み外してしまったのかもしれない。
和室で女性と二人きりって危ない。
そんなことをぼんやりと思ったが直ぐにそんなことは忘れてしまった。
しかしこれまた一年後、しっかりと後悔することになるのだった。
「千早さん、頼むわね。」
「えっ、えぇ……分かりました。」
___________
小山友香、Cクラス代表で周囲からの信頼を得ており、頼りにもされている。しかし感情的になると周囲に目がいかなくなる。
Bクラス代表の根本とは付き合っているが、関係は冷えつつある。
クラスの利益の点からBクラスとの同盟を締結させた。
俺が調べた限り小山はそんな奴だったのだが、一体何をしにきたのだろうか。宣戦布告ならば困るんだがな…
作戦会議の次の日の朝、俺は参謀から二つの提案を受けていた。
それはどの教科での対戦であったとしても一人一人がベストな状態で戦うために、回復試験を最低もう一日実施すること。
そしてBクラスで内乱を起こすことは出来ないかという打診だった。
後者に関しては編入者である参謀だから閃いた策だろう。
試召戦争において第三クラスが介入できるのは同盟を結んでいるときだけだ、つまり味方を増やすには同盟を組むことがセオリーなのだが、参謀の考えはそれを軽くパスすることが出来る策なのだ。
回復試験はその日は生憎都合が付かなかったため今日行うところだ。
今は二つ目の内応者の呼びかけの途中なのだが……
どうするかと参謀の顔をちらっと見ると、いつも顔に浮かべている笑顔は消え、困惑している風に見えた。
「あの、友香さん。どうしてこちらに?」
若干の挙動不審、以前の小山と根本の密談の最後の方でこいつのことを気にしていたから知り合いなのだろうとは思っていたが。
ムッツリーニの方を見ると首を振られてしまった、あいつの情報網からすり抜けることなどあり得るのか?そうだとするとやっかいだ。
こちらから不意に動くのもまずい、とりあえず様子見だろうな。
「千早さん、振り分け試験を受け直さないかって話なんだけど結論は出たかしら。」
「それは、もう。お断り致しましたよね?」
「率直に言うよ。貴女はこんなクラスに居るべきじゃない。こんな
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