第一章 小問集合(order a la carte)
第九話 諸勢力の思惑
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れて、見るに耐えない状態になっていた。
「……あのさ妃宮さん、物は相談なんだけど妃みあぁああ、なんで、まだ名前しか言ってないのに右腕がもげるほどに痛みぃいっぃぃなみ、しないから、脱がせたり覗いたりしないから!」
「ウチじゃないんだけど?」
「へぇ?」
そう言われて、僕は初めて彼に関節技をかけているのが誰なのか、きちんと見た。
「友香さん?どうしてこちらにいらっしゃるのですか?」
「えっ?あぁ、そのごめん。ちょっと話があって。」
妃宮さんの戸惑っている声が聞こえた。
__その前日、旧校舎二階和室にて__
友香さんに僕は呼び出されていた。
「どうぞ、あんまり上手い方じゃないけどね。」
僕の座っている前に出された濃緑のお茶。
「お気遣いありがとうございます。」
茶碗を手に取り一礼する。正面を避けるために少し茶碗を時計回りに回し口を付ける。
「結構なお手前で。」
「お世辞でもありがたいわね。」
本音を言うと確かに少し水の量が多いとは思ったのだけれど、お茶の濃さは均一になっているということはしっかりと丁寧に点てたということだ。
お茶の表面が泡で覆われていないというのは問題にはならないのだし、全くの低評価では無いのだが、まさか悪態でそのまま返してくるとは。
聞けば友香さんは茶道部に所属しているらしい。
「そうは言っても、千早さんに喜んで貰えたのならわりかし真面目に習った甲斐があったというものよ。」
そんなことを言いながら笑っている彼女は剛胆なのか、それとも率直な人なのか。
飲み終わった茶碗を膝の前に置く。礼法的には持っていってもらうのだがやはり自分で持っていこうか。
「いいよいいよ、下げるって。」
畳に再び座らされ、彼女が水屋で後片づけをする物音を聞きながら、彼女はどうして僕をここに呼びだしたのかぼんやりと思った。
最後に水音がしてからいくらか時間が経ってから、畳に戻ってきた彼女の表情は何かを決意したように硬い。
「さてと、本題に入るよ。貴女のクラスが始めてくれた試召戦争についてよ。」
「そうですね、私たちが新学年早々に始めましたからご迷惑をお掛けすることも……友香さんが代表を務めていますクラスとも戦わなければならないかもしれませんね。」
「そうね、このままだと今日、明日にでも開戦かしら?」
一体何を考えて僕を呼びだしたのだろうか。
「聞いてるかもしれないけれど、私のクラスはBクラスと同盟を結んでる。貴女たちが対Bクラスを考えているならばそれはBC連合を相手取ることだって賢い貴女なら解るでしょ?」
「えぇ、そしてその同盟を私は断ち切って頂きたく存じますが。」
まさかの降伏勧告じゃないだろうね、それとも僕の懐柔?
どちらにしても答えはNOだろうけれど、友香さんの意図が読めずに内心冷や冷やしているの
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