第一章
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守るように、兄は追いつく。
●
「走りながらで良いから聞けよ」
「ゼェゼェ――。兄ちゃん、何だよ」
葵・ユーキと葵・トーリは並走していた。
「簡単に言えば、世界中に預けられている大罪武装は、ホライゾンの感情を利用して作られたものだ。それを手に入れようと世界が動くかもしれないが、通神《つうしん》と、さっきの放送を聞く限り、ホライゾンは聖連に連れて行かれることになるだろう」
葵・トーリは全力で走りながら聞く。
「聖連は大罪武装の確保と言っていたが、正直連れて行かれた後はどうなるかわからん」
葵・ユーキの考えでは、ホライゾン・アリアダストは大罪武装として聖連に使われる可能性が高いと考えていた。もう一方で、やはり、武蔵在住の彼女が大罪武装という理由で処分してしまうかもしれないとも考えた。
松平元信の言った事が事実ならば、彼女は三河君主の娘であり、同時に大罪武装である。
いずれにしても聖連に取って、面倒な存在になるため、ホライゾンを処分する可能性が高いのだ。
「聖連に連れて行かれるにしろ。世界中にホライゾンが大罪武装だと知られた以上、告白は難しくなったぞ。元々告白が上手く行くかはわからなかったが……」
「ハァハァ、ヒデェな、兄ちゃん。ゼェハァ」
「覚悟を決めろよ……」
ホライゾンに告白する。
昨日までとは状況が変わった。
「い、言われなくても、ハァハァ。初めから俺は、ゼェハァ。覚悟決まってるぜ!」
●
空に揚陸艦が浮いており、まさにホライゾンが連れて行かれる処だった。
「ホライゾン!」
ギリギリ、間に合った。
眼前には、十数人に囲まれる本多正純と、ホライゾン・アリアダストがいた。
……ホライゾンを連れて行く為の部隊の人間か。正純は花火を見に行ったはずだが、ホライゾンと居合わせた、という感じかな。
聖連に連れて行かれるホライゾンを引き止めていないという事は、正純の判断はそう言う事だ。
「葵兄弟……!?」
●
正純は見た。
商店街の方から走ってくる数個の陰。
先頭の葵兄弟と、その後ろには同級生である、ウルキアガ、ネシンバラ、ノリキが見えた。
「ホライゾン……」
聞いた。
葵・トーリが先程、P-01Sに向けてホライゾンと叫んだ。
そして、葵・ユーキも離れている私に聞こえる音で言った。
ホライゾンと。
今日、私は多くの事実を知った。
……お前達は、気付いていたのか?
P-01Sがホライゾンだという事に。
……それでも、何故その呼び名をどうしてすぐに使える?
まるで、昔から彼女がホライゾンだと解っていたような、そんな呼び方だと思う。
……何故だ?
その答えを拒否するように、付近の警備についていた者達が葵達に駆け寄ろうとした。
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