第一章
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く酒井忠次から教導院へ誘いを受けたのだが、答えはすぐには出せない。
それを父親である本多・忠勝が告げた後に、
「安芸まで行って戻る際だが、ソコから先は好きにしろと言ってある、誘うならそこでしろ」
「好きにしろって、まあ、好きにするけどさ」
酒井忠次は父親には興味がなく、その娘である本多・二代に興味があると言った。
……有り難い話だと思う。それに、懐かしい名を聞いた。
本多・正純。中等部以降、あまり顔を合わせていない相手で御座る。
「ダ娘君と同じで、加速術式使って近接戦闘得意な奴いるんだけどさ。これがまた扱い難くてねえ。手合わせしてみると面白いかもよ」
「はあ……」
「あ! ああ! アレか! 酒井が殿にマジ怒られされた原因の!」
「あれ? 何で知ってんの? 機密事項のはずなんだけどねえ」
父上は知っているようだが、拙者はそんな御仁知らんで御座る。
三河警護隊の総隊長である拙者が知らず、酒井学長や父上が知るという事は、相当上の人物達しか知らない事実で御座ろう。
ならば、口出しせぬのが得策。
「珍しく殿が褒めてたからな。良く出来ましたでしょう的な褒美で無罪放免にするために我も少し動いたしな」
「へえ、殿先生がねえ。だったら俺がマジ怒られしたのって何だったんだろうね」
「知らん」
そう言って、父上は笑い酒を飲む。豪胆な父上で御座る。
●
「む、迷ってはないよなあ」
後悔通りへと行くために近道したのだが、森の中なので景色の移り変わりがよくわからなくなってきた。
ユーキに一度連れてきて貰った事があるが、やはり一度しか通ったことのない道のりを行くのは浅はかだったか。
……思えばユーキはよく側にいてくれる奴だよなあ。
知ってか知らずか。
ユーキに聞いた事はないが、多分知っていて私の側にいるんだろう。
有難い話だが、一応男として振舞っている以上クラス連中の一部外道にネタにされてなければいいのだけれど。
後悔通りを調べる事で皆の方へと踏み込む事で、ユーキに対しても踏み込めるのだろうか。
いかんな。依存では無いと思うが、ユーキの事を考えることが多くなっている気がする。
最近、ユーキとニ人きりになるとどうも落ち着かなくなってきている。
これが、どのような感情なのか、流石に理解はしているが心では理解できていない。
未熟なのだろうか。それとも男性化が中途半端だったために、踏み切れないのか。
どうなのだろうな。
●
正純は無事に後悔通りに辿り着く。
そして、そこで父親である本多・正信に合い、後悔通りの意味を知る。
葵・トーリと後悔通り。
後悔通りの主――。
夜に教導院で前夜祭をやるから来ないかと正純は誘われたが、父親の前で体裁を保つ為に花火の方に行くと言った。
その時、
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