星の長は希う
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けると、溜息をつく。
「お前なあ……ちゃんとオレが説明するから隠れなくていいって」
「し、師匠っ!其奴は何奴だ!?尻尾が生えているぞ!?」
「そっちか」
てっきりまた敵として見られる事に怯えているのかと思った、と呟きつつ、グレイはミラの方を向き、今日だけで3回目の質問を繰り返そうと口を開く―――――よりも早く、おずおずとパラゴーネが出てきた。
人見知りがちであり臆病な面もあるパラゴーネの行動に、グレイは僅かに目を見開く。
「そ…その……もう、戦闘の意志は皆無だ。だから、えっと…敵讐だとは思考しないでくれると……嬉しい…」
俯き、目線は彷徨っている。必死に言葉を探しているようだったが、パラゴーネは何とか自分で言い切った。最後に慌てたように頭を下げるのを足す。
が、どうやらそれが彼女の限界だったようで、すぐにグレイの背後へと隠れてしまった。
その様子を見つめていたミラは柔らかく微笑むと、膝に手を当て前屈みになる。
「パラゴーネ、だっけ」
「こ…肯定、する」
「うん、私はミラジェーン。ミラでいいわ。よろしくね、パラゴーネ」
「……うむ」
ミラ特有の温かい雰囲気に緊張や怯えもほぐされたのか、パラゴーネは素直にこくりと頷く。
と、ふとルーが首を傾げてミラに問うた。
「ねえミラ」
「何?」
「そんな接収あったっけ?」
「え?……ああ、これね。ちょっと待ってて」
見慣れない接収なのは当然だろう。まさかこれがアルカだとは誰も思わない。
ミラだって、もし誰かがアルカを接収していたとしたらきっと気づけない。
「大丈夫?」
《んあ?ああ悪ィ、考え事してた。もう1回言ってくれねえかな》
「だから、大丈夫?」
《ん、問題ねえよ!じゃ、頼むぜミラ!》
アルカの底抜けに明るい声が響き、消える。
ミラは静かに目を閉じると、接収を解除しアルカを外に出すべく魔力を集中させた。
足元に魔法陣が展開し、ミラの銀髪を逆立てる。何かが離れていく感覚に目を開けると同時に、接収は解けていた。
ウェイトレスの制服であるワインレッドのドレスを纏うミラは慌てて周囲を見回す。離れていく感覚はあった。だったら、アルカはきっと―――――――。
「ど、どーゆー事さっ!?ミラの中からアルカが出てきたよう!」
「んなあああっ!?何事だ!?」
ミラが見つける前に、ルーの甲高い叫びとナツの驚きの声が響いた。
その視線の先に目を向けると、見慣れた黒いジャケットを纏う青年の背中。クリムゾンレッドの髪を揺らして振り返り、彼がニッと笑う。
「アルカ……」
「大成功、だな!」
楽しそうに笑って、どこの少女漫画のイケメンだと
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