星の長は希う
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ン本宅をエルザが睨むように見つめ、背負われたままのパラゴーネの言葉にグレイが頷く。
下りていた前髪を掴んで癖を付けたナツは、右拳を左掌に打ちつける。
「おっしゃあ!そんじゃ行くぞ!」
ナツの声に、全員が頷く。敵対している側であったはずのパラゴーネも、何かを吹っ切ったかのような清々しい表情でいる。
キッと本宅を見つめ、ナツが1歩駆け出そうとした――――――その時だった。
大きく、何かが崩れる音が聞こえ。
上から、何かが勢いよく落ちてきた。
「!?」
「何!?」
ズドォン!と文字が見えそうな勢いで落ちてきたそれに目を向ける。
暫く砂煙で何も見えず、落ちてくる大きな瓦礫から身を守るのに必死だった状況で“それ”にいち早く気付いたのは、パラゴーネだった。驚いたように赤い目を見開いた彼女は、思わず叫ぶ。
「リーダー!?」
そう――――――落ちてきたのは、エスト・イレイザー。
ギルドマスター直属部隊の長でありアルカの父親でもある男だった。
「え、え!?どーゆー事っ!?僕意味解んないよう!大混乱でパニクるよ!」
1番最初に喚きだしたのはルーだった。エメラルドグリーンの髪を両手でぐしゃぐしゃにし、頭の上一杯に?を浮かべている―――――ように見える。
「お、落ちてきましたよね…この人」
「……だな」
アランも目を見開き、ヴィーテルシアが溜息に似た息を吐く。
ぴょん、と飛び降りるようにグレイの背から降りたパラゴーネはとてとてと駆けよると、その体を揺らし始めた。
「リーダー!責問するっ、何故墜落した!?寧静かっ!?」
ゆさゆさと体を揺らしつつ叫ぶパラゴーネの声にも、エストは反応しない。完全に気を失っている。
慌ててルーが脈を測り心臓辺りに耳を押し当てると、「凄いね、あの高さから落ちて生きてるよ」と呟いた。
多分魔法で落下時の衝撃やら何やらを弱めていたのだろう。
「みんなー!大丈夫ーっ!?」
と、そんな時にこちらも上から響く声。
反射的に顔を上げると同時に、声の主がふわりと降り立った。
炎の翼を空気に溶け込ませるように消した声の主―――――ミラは、短く息を吐き、ナツ達を見回す。
「ミラ!?」
「ギルドにいたんじゃなかったんですか?」
「みんなが戦ってるのに私だけギルドにいるなんて出来ないもの……あら?」
アランの問いに答えたミラの目が、パラゴーネを捉える。エストからミラに目を移したパラゴーネは一瞬ポカンとしたような表情になるが、すぐに状況を悟ったのか凄まじいスピードでグレイの後ろに隠れた。
パラゴーネの隠れ場所と化しているグレイは顔の半分を後ろに向
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