星の長は希う
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…地獄の猟犬……今度会ったらぶっ殺す」
「物騒だなあ、ヒジリは」
くぁ、と欠伸をするマミーは声を掛けられ、振り返る。
そこに立つのは揃いも揃って傷だらけのメンバー。数名足りないが、誰がいてもいなくてもマミーは興味がない。
“天候を司る者”のセス・ハーティスに、“宙姫”ルナ・コスモス。“極悪なる拘束者”ヒジリ・ファルネスの3人。きょろきょろと辺りを見回したルナが、小首を傾げる。
「ザイールさんとムサシさん、シオさんは?」
「さあな。シオの奴は次の殲滅に行ったんだろうよ」
ルナの言葉にヒジリがひょいっと肩を竦める。
Sであるマミーは人をからかうのが大好きで、「2人は仲いいね、青春ってヤツか?」と冷やかしてみれば、案の定2人揃ってあたふたし始めた。
その様子を笑いつつ眺めていると、4人とは別の足音が近づいてくる。
「シオ?」
「やっほー」
勝とうが負けようが、とろんとした眠そうな表情は変わらない。
緑色のパーカーのフードの奥から覗く目が真っ直ぐにマミーを見つめ、とてとてと近づき、こてりと首を傾げた。
「マミー、喋ったー、でしょー」
「まあね、暇だったから喋り相手を探してたんだよ」
「怒られてもー、知らないー、よー」
「大丈夫だって。アタシ達の計画については何も話してないからさ」
くつくつと笑って、唇に人差し指を当てて、マミーは静かに片目を閉じた。
くるりと向けられた杖の先から、無数の茨が伸びていく。
その全てを器用に避けるミラの炎の翼に当たった茨は燃え尽き、床に落ちている。その口が僅かに動いているのは、元素魔法に必要な長い詠唱を呟いている為だ。
「“舞イ踊ル紅、無数ノ焔”……“紅蓮繚乱”―――大火剣舞!」
邪魔な茨を消し去るべく、ミラは脳内で呟かれるアルカの詠唱をそのまま繰り返す。展開した赤い魔法陣から次々に炎の剣が飛び出し、向かってくる茨を時に斬り、時にその炎で燃やしていった。
植物は炎と相性が悪い。それを知っているであろうエストの行動に違和感を覚えつつ、攻撃の手は休めない。
「雷撃!…くっ」
表情を歪めたエストは杖の先から雷を放ち、炎の剣を叩き落とす。
が、こっちは詠唱にある通り無数。エストが雷を放つのとミラが炎の剣を放つのとでは、明らかにミラの方が早い。左肩を剣が掠め、痛みに呻いたエストは杖の先端に魔力を集中させた。
「水流!」
放たれた水は、一瞬にして炎の剣を呑み込んでいく。水と炎、水が有利なのは言うまでもない。
呑み込まれた炎は一発で消え、水はそれで役割を終えたとでも言うように消
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