第二章
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ういうの合いそうにもないな。遊んでる方がいいよ」
「そっちか」
「ああ、悪いけれどな」
そう述べて苦笑いになった。
「根っからの遊び人なんでな」
「まあ遊ぶのもいいだろうな」
クラスメイトはそこまで聞いてこう返してきた。
「やることをやってればな」
「何だよ、俺が何もしていないみたいだな」
その言葉にはまた苦笑いで返した。
「確かに俺はいい加減な奴だけれどな」
「まあいい。しかしだ」
彼はここで上を見上げた。見れば空が見る見るうちに暗くなっていた。
「そろそろだな」
「おいおい、やばいって」
遊馬は暗くなっていく空を見上げて目を顰めさせる。思わず空に対して叫ばんばかりであった。
「このままだとよ」
「何かあるのか?」
「あっ、いや」
その問いには咄嗟に誤魔化す。
「何も」
「本当か、それは」
何か急に戸惑いを見せたので顔を顰めて返した。
「妙にあれだぞ」
「何でもないからさ、安心してくれよ」
「わかった。じゃあな」
「ああ、それじゃあな」
クラスメイトは別れて学校の中に入る。遊馬はそのまま里奈を待つ。すると暫くしてその里奈がやって来たのであった。赤紫のセーターに黒いズボンに黒いコートという地味と言えば地味な格好である。セーターと同じ色のマフラーまでしている。
「待ってた?」
「ううん、全然」
遊馬は屈託のない笑顔で彼女に返す。
「俺も今来たばかりだからさ」
「そう、よかった」
多分に形式的なやり取りだったがそれでも上手くまとまった。元々こうして待ったりするのは気にしない遊馬だったからこそだ。こうしたところが彼のいいところであった。
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