マクロスF
0776話
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ていて、1つの意識のような物が根底にあるらしい。で、そんなバジュラ達にしてみれば、俺達人間は1つの群れの筈なのに全く統一された行動を取っていなかった。それで不審に思ったらしい。で、そんな不審な群れの中に自分達の仲間がいる事に気がついた』
『おい、それってもしかして……』
アルトの言葉に、ミハエルがそう告げる。
そう、もしも俺の脳裏を過ぎったのが事実だとするのなら、俺達は全く無意味としか言いようのない戦いをしていた事になる。
それを理解しているのだろう。オープンチャンネルで流れているアルトの言葉に、誰もが言葉を挟まず黙って聞いている。
俺もまたアルトの言葉を聞きながら、何故かこちらに向かって攻撃してくる様子の無いクイーンの……否、グレイスの様子に小さく眉を顰めるが、今の状況はこちらが有利なだけに様子見の段階だ。
同時に、シロガネから出撃した部隊もまた行動を止めている。コーネリアを始めとした幹部の連中もアルトの話に耳を傾けているのか。
『そうだ。最初にバジュラがフロンティア船団に攻撃を仕掛けてきたのは、そんな不審な集団の中から唯一感じる自分達の仲間……即ち、ランカを助け出す為だった』
その言葉は決定的だった。本来であれば、俺達とバジュラは全く戦う必要が無かった相手であり、即ち一連の戦いは……
『そんな……じゃあ、私達は……』
そう呟いたのはマクロス・クォーターのブリッジクルーでもあるラムの声。自らの戦ってきた根拠の根底が崩された事による衝撃は相当なものだったのだろう。
『だが、そのおかげでバジュラはシェリルの存在を知った。ランカと同じく、フォールド細菌を体内に宿しているシェリルを。そこで初めてバジュラは人間が自分達とは違い、1人1人が個別の意思を持っているという事を理解したんだ。そしてランカを通じて、俺達人間がどのような存在なのかを知っていった……』
アルトの声に従うように、ランカやシェリルの側にいるバジュラが尻尾を振ったのは俺の見間違いだろうか。
『とにかく、ランカとシェリルのおかげでバジュラは自分達と人間の違いを明確に理解し、知ろうとした。……その結果がこれだ。本来であれば、バジュラ全てが戦闘を止めて人間と手を取り合う……とまではいかなくても、無意味な戦闘をせずに済んだ筈なのに……そこに奴が、あの女が……』
「グレイス・オコナー」
ポツリと呟いた俺の言葉に、映像モニタ越しに頷くアルト。
EX-ギアのヘルメット越しではあるが、その表情に浮かんでいるのは苛立たしげなものだ。
「そう怒るな。今はやるべき事は分かっているんだろ? なら、それを成せばいいだけだ」
『……ああ、そうだな。俺は奴を、グレイス・オコナーからバジュラを解放する!』
自らの決意を込めてそう叫ん
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