無印編
月村会談
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人質となっていた3人を保護し、龍一の結界に閉じ込められていた氷村を駆けつけた応援の人間に引き渡すと、一同はいったん月村の屋敷に移動した。
ボカッ!?
「イッテ―な!?父さん、何するんだよ!?」
「馬鹿者!?相手は誘拐犯なんだぞ!?お前ほどの魔導師なら、あの状況でまずしなければならなかったのは応戦することじゃなくて、二人を連れて脱出することだろう!?」
龍一が剛に怒られていた。
まあ、父親としても警察としても、それが当たり前の対応である。
余談だが、龍一と剛が親子だと知って、暗い影を落とすさくらに、忍だけが気付いていた。
「いいじゃないか!?あの程度どうってことないって!?」
「できるできないの問題ではない!?お前がやっていたことがどれだけ危険なことだったのかわかっているのか!?」
「まあ、気持ちは分かりますが、無事でしたので少し落ち着いて・・・」
終わらない親子げんかに、恭也が口を挟んだ。
「君たちもだ!?なぜ我々の到着を待てなかった!?今回はたまたま誰にも被害がでなかったからよいものを、一歩間違えていればどうなっていたか分からないんだぞ!?」
どうやら藪蛇だったようである。
「す、すみません・・・」
剛の剣幕にただ謝ることしかできない恭也。
いつもの寡黙はどこにいった?
「まあいい。これ以上終わったことにグチグチ言ってもしょうがない。龍一」
「何だよ?」
「奴らについて何か分かったことはないか?誘拐の方法、彼らが喋っていたこと、誘拐の目的、何でもいい。知っていることを教えてくれ」
「もしかして事情聴取ってやつ?」
「そうだが?」
「ちょっと!?この子たちはさっきまで人質にされてたのよ!?せめてもう少し時間を置いてからでも・・・」
忍が剛に詰め寄ったが・・・。
「だからこの子に聞いてるのだが?安心したまえ、お嬢さん方には、後日改めて、落ち着いてから事情聴取させてもらうつもりだ」
あんまりな言い草に唖然とする忍。
「僕はいいのかよ・・・」
龍一は愚痴ってみたが・・・。
「お前はこの程度で動転するような精神じゃないだろ」
「あー、ハイハイ」
一蹴されてしまった。
「待ってよ!?」
突然、アリサが声を上げた。
「どうしたのかね?」
「その事情聴取、わたしの受けるわ!?」
「バニングス?」
「あの!?あたしもお願いします!?」
「ちょっと、すずか!?」
「このまま引き下がったら、なんか負けたみたいじゃない!?」
「龍一くんがあたしたちのために戦ってくれたのに、あたしだけ逃げるのは嫌!?」
「すずか。アリサちゃん・・・」
気丈にも自らの意志を告げる少女たち。
「・・・ふ。なるほど強いお嬢様
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