無印編
誘拐事件・後篇
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龍一たちが誘拐されて少し経った頃。
月村の屋敷では・・・。
「なんですって!?」
『何度も言わせるな。君の妹と家畜のお友達を誘拐した。返してほしければ○○の倉庫街まで取り返しに来い』
電話の内容に『夜の一族』の頭首、月村忍が叫びだす。
一方的な要求だけ済ませ、電話は無情にも切れてしまった。
「一体どうしたの?」
急に叫びだした忍に、ウェーブのかかったピンク髪の女性が話しかけてきた。
彼女は忍とすずかの叔母であり、今回の誘拐事件の犯人である氷村遊の義兄妹でもある『綺堂さくら』である。
彼女は今回たまたま月村家を訪ねていたのだ。
「氷村がすずかとお友達を誘拐したみたいなの・・・。返してほしければ倉庫街まで来いって・・・」
「明らかに罠じゃない!!あいつのことだから何考えてるか分からないよ!!」
「とりあえず恭也に連絡しないと!!」
二人は恭也に連絡し、ノエルとファリンを連れて倉庫街へと向かった。
一方、その頃。
プルルルルル・・プルルルルル・・プルルルルル・・プルルルルル・・。
ピッ!!
「もしもし?課長ですか?」
『剛君・・・緊急の用件ってこともあるからせめて2コール以内に出てほしいね』
守宮龍一の父、守宮剛の携帯に零課の課長から連絡が来た。
「それはすみません・・・もしかして緊急ですか?」
『ああ。先ほど、君の息子が通っている小学校の通学路で誘拐事件が起こったそうだ』
「誘拐事件?しかし、なぜそれを私に?秘匿事項がらみの誘拐か・・・まさかとは思いますが・・・息子が誘拐されたのですか?」
ただの誘拐事件ならば零課の管轄ではなく、強行犯を担当する一課の仕事である。
それでも、剛に連絡を入れてきたということは剛の言う通り、2通りの可能性しかない。
しかも、彼の息子が通う小学校の通学路で起こったなら後者の可能性をどうしても意識してしまう。
『前者だ・・いや、もしかしたら両方かもしれん』
「どういうことですか?」
『誘拐されたのは『月村すずか』。君の息子の友人だ』
「『月村』とは、もしかして『特異遺伝持ち』のあの『月村』ですか?」
『そうだ。しかも、情報では彼女だけでなく、一緒に下校していた子供たちが2名まとめて誘拐されたそうだ。一人は金髪の女の子だったらしいので、恐らく彼女の友人のアリサ・バニングスに間違いないだろうが・・・もう一人は男の子である以外には情報がない』
「その男の子が息子かもしれないと?」
『可能性は高いんじゃないか?』
確かに、彼女たちは龍一が転校してきて最初にできた友達で、最近よく遊ぶ話を息子から聞いていた。
「それで、私は月村の保護者のところに向かえばいいのですが?」
『いや
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