無印編
誘拐事件・後篇
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自動式でも回転式でもなく、銃口の下から、伸縮式の棒が飛び出し、先端にゴムがついていた。
彼が持つ銃『飛穿』はスリングショット、ようするにゴム銃であり、分かりやすく言うならばパチンコである。
ただし、ただのパチンコと侮ってはいけない。本格的なパチンコに使用されているゴムは通常の物の比じゃない。
その威力たるや、ゾウの狩猟に使用されるほどである。
ましてや、剛の外功も相まって『安全なマグナム』程度の威力があるのだ。
剛は警察手帳を懐に仕舞いこむと、左腰にあるホルスターから先ほどのものと同じ鉄板を取り出し、飛び穿ちのグリップの上の部分から差し込んだ。鉄板を引き抜くとその先端には投擲用装備が装着されており、それを銃口から差し込み、狙いをつけて引き金を引いた。
この間僅か2秒の早業である。
3、4体の自動人形が撃ち抜かれると、グリップ内の投擲用装備が尽きたらしく、ホルスターから新しいマガジンを取り出して装填する。
その隙に自動人形が迫ってきたが、剛は飛穿を腰に仕舞い、懐から警棒を取り出して殴りつけた。
(この人、本当に強い!!多分親父と同じか、もしくはそれ以上かもしれない!?何より戦いに非常に慣れている!?)
恭也は彼の強さから、ただの刑事ではない、むしろ裏の人間に近い雰囲気を感じ取っていた。
戦いは剛の加勢で次第に自動人形を追い詰めていった。
しかし・・・。
「あれって、叔母様!?もしかして!?」
「ええ。間違いないわね」
他の自動人形とは明らかに違う1体がいた。
「忍?あれは一体?」
「あの自動人形はイレイン。自動人形の最終後継機で他の自動人形とは比べものにならないわ」
「氷村のやつ、とんでもないものを用意してきたわね」
他の自動人形はすべて倒し、残りはイレイン一機となった、しかし、他の機体よりも性能が断然違うイレインに対して決定打を与えられないでいた。
「一体どうすれば?」
「少年。私が合図したら右の避けなさい」
「?」
突然の指示に、恭也は訝しんだが、目の前にイレインが迫ってきていて、それどころではなかった。
「今だ!!」
剛の指示で恭也はイレインを躱し、そこに剛が攻め込んで、イレインの腕を受け止めていた。
剛は受け止めた腕とは反対側の腕をイレインの胸に当て、力強く踏み込む。
地面にひびが入るほどの踏み込みのあと、まるでトラックにはねられたようにイレインが吹き飛び、そのまま動かなくなった。
「い、今のは一体?」
「多分、寸勁と呼ばれる武術だ」
「寸勁?」
「俺も詳しくは分からないけど、少しの動きで高い破壊力を生む技術らしい」
恭也の説明は要領を得ていなかった。
元々、
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