無印編
誘拐事件・前篇
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ね!?君は今までその子を化物と知らずに友達だと「うるさい!?」・・・何?」
氷村の笑い声をアリサの恫喝が遮る。
「だから何!?すずかはすずかでしょう!?吸血鬼だの人間だの関係ない!?わたしはすずかの友達よ!?そこに何の変りもない!?」
断言した。
誘拐された恐怖は忘れてはいない。目の前の大人たちも怖い。突然知らされたすずかの正体に動揺もしている。
しかし、それでも彼女は言い切った。
私たちは『友達』だと。
「あははははははは!?いやー儚い友情だね!?でも、そっちの小僧の方はどう「ふふ、ふははははははははははははははははは!!」」
龍一は笑った。
大笑いだ。
それに二人は驚いた。
転入してから龍一は笑うどころか、大声を発することもなかったのだから。
「どうしたんだ小僧?とうとう壊れたか?」
「ただ滑稽だと思っただけだよ」
「なに?」
「吸血鬼・・・吸血鬼ね。ただ人間離れした人間風情が、その程度で化物を自称するのが滑稽だと言ったんだよ」
「貴様!?僕たち神に選ばれし『夜の一族』が下等な人間と同じだと言いたいのか!?」
激昂した氷村は部下に命じ、黒服の男の一人が龍一に銃を突きつける。
「ああ。そうだよ。貴様ら程度が吸血鬼を、化物を名乗るなどおこがましいよ」
それが龍一の考えだ。
実際、『夜の一族』とは特異遺伝体質の人間というのが、魔法業界では一般的な常識だ。
本物の化物や吸血鬼はこんなものではない。
英国のアーカードなどのような真祖の吸血鬼は言わずもがなであるし、父の古巣にも化物のような人間から『妖怪』と言う本物の化物までいたのだ。
そんな存在に、幼いころから接してきた龍一にとって、すずかのような存在など、一般人と大差はない。
「もういい。やれ」
ドン!!
銃声が鳴り響き、放たれた弾丸が龍一の胸に直撃する。
あまりもの衝撃に龍一は吹っ飛んでしまった。
「「キャ――――――――――!!」」
「ったく。下等種の癖して生意気言うからだよ。オイ!!」
「はい!!」
「そこの金髪の女も始末しろ」
「はい!!」
今度はアリサに銃口が向けられる。
「ひっ!?」
「ヤメテ――――――!!」
そして銃の引き金が引かれる・・・・。
ガキッ!!
ことはなかった。
「な!?」
よく見ると、銃のトリガーの内側に、一本の杭のようなものが入り込んでいて、銃が撃てなくなっていた。
「そっちがその気なら、こっちも手加減はしない」
「「「「「!?」」」」」
全員が驚いて声の方を見る。
すると、そこには左手首を抑え、右手の指に挟むように4本の杭のような
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