無印編
誘拐事件・前篇
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しぶりだね、我が姪よ」
「あなたは、氷村遊!?」
倉庫の奥から、美男子と言っても過言ではない男性と黒服の複数の男が現れる。
(氷村遊。たしか『リリカルなのは』の元になった『とらいあんぐるハート』に登場するキャラだっけ?そっちの方は原作やってないぞ)
龍一の知識は『リリカルなのは』は大体知っているが、『とらいあんぐるハート』に至っては、2次創作物で時々、ネタを見る程度である。
「すずか!?このいけ好かない男と知り合いなの!?」
「黙れ下等種が!!いつ僕が君なんかに喋ることを許可した!?」
アリサが驚き、すずかに聞こうとするが、氷村が家畜を見るような侮蔑を込めた視線で怒鳴りつける。
「ごめんアリサちゃん。あの人は私の叔父なの」
すずかが申し訳なさそうに話しかけてくる。
「それで・・・どうしてこのようなことを?」
「ふん。そんなの決まっているだろ?あんな劣等種を伴侶に迎えようとする月村忍が頭首になるなんて気に食わないからだよ」
どうやら、何やら一族がらみの怨恨のようである。
(そう言えば、月村家って結構な資産家だったな)
『夜の一族』は優秀な頭脳や見目麗しい美貌を持つ人間が生まれやすく、社会で成功を収めるものや政界に強い影響力を持つ者も多い。
更には『夜の一族』は月村家だけでなく、氷村家、綺堂家の3つの家を始めとした大きな血族の総称である。
その頭首ともなれば、富や権力は日本でも屈指の存在となれるのは間違いないだろう。
恐らく、目の前の男はそれを手に入れようと、頭首の身内を誘拐したようである。
「恭也さんを劣等種なんて呼ばないで!!」
「何言ってるんだい?人間なんて僕たち神に選ばれた種族に比べれば劣等種じゃないか!?」
「一体何の話をしてるのよ!?」
耐え切れなくなったアリサが叫びだした。
それを見た氷村は、一瞬驚いた表情を浮かべたが、すぐにそれが嗜虐に満ちた表情に変わる。
「ほう?もしかして君はすずかの事を知らないのかい?その正体を知らずに友達なんて思ってたのかい?」
「やめて!!」
すずかを見ると真っ青な表情を浮かべ、瞳に涙を溜めながら震えている。
「いいかい?その女の正体は僕と同じ『夜の一族』、つまりは吸血鬼さ!!人の生血をすする人外の化物なんだよ!!」
「な!?でたらめ言うのもいい加減にしなさいよ!?ねえ、すずかも言い返しなさいよ!?・・・・・・すずか?」
アリサがすずかを見ると、すずかは大粒の涙を流してただひたすら『ごめんなさい』と呟いていた。
「う・・・そ?本当なの?すずか、何とか言ってよ!?」
「ごめんなさい、ごめんなさい・・・・・・・・ご・・・めん・・・な・・さい・・・・・・」
「あはははは!?滑稽だ
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