無印編
転校と邂逅
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たからである。
先生が黒板に龍一の名前を大きく書いていく。
「初めまして。守宮龍一です。お父さんの仕事の都合でこの海鳴市に来ました。特技は弓道で憧れの偉人はムハマド・ガンディーです。どうぞよろしくお願いします」
「それでは、この時間は守宮くんが早くみんなと仲良くなれるように、質問タイムとします。みんな、守宮くんに何か聞きたいことはないかな?」
先生がそう言うと、クラス中から様々な質問が龍一に向かって飛んできた。
「前の学校はどんなとこだったの?」
「今は何処に住んでるの?」
「守宮くんのパパってどんな仕事してるの?」
「『きゅうどう』って何?」
「『がんじー』って誰?」
「俺のなのは達に手を出すなよ!!モブが!!」
クラスメイトから矢継早に浴びせかけられる質問の山(最後だけ妙なものが混じっていたが)に龍一が項垂れていると。
「Be quiet!!そんなに一片に喋られちゃ答えられないでしょ!!」
リーダーシップに定評があり、常にクラスのまとめ役となる、アリサがクラスメイトを仕切り始めた。
「はいはい。質問は一人一つずつで、順番にお願いね」
アリサ仕切りで一つ一つ、順番に龍一にクラスのみんなが質問していく。
そして、あらかたの質問が出尽くし、誰も質問しなくなったころ。
「あ・・・あの・・・」
「?」
なのはは思い切って、龍一に話しかけた。
「この間は助けていただいてありがとう」
「君は・・・まさかこの間の?」
「うん。あの時は助けてくれてありがとう。わたしの名前は高町なのは。なのはって呼んで」
「っ!?」
「なのはちゃん?もしかして、春休みに不良たちから助けてくれた男の子って?」
「うん。この人だよ、すずかちゃん」
「っ!!??」
「へえ、まさかすずかの言う通りになるなんてねえ。あたしはアリサ・バニングス。なのはの友達よ」
「私は月村すずか。よろしくね」
「あ、ああ・・・・・よろしく」
こうして、この日一日は過ぎていった。
(はー。しくった)
放課後、龍一は項垂れていた。
(まさか、あの時助けた女の子が高町だったとはなあ)
実を言うと、龍一はあの時、助けた女の子と今後関わることになるとは思っておらず、ろくに相手に顔を見ておらず、言うことにも耳を貸さなかったので、相手がなのはだとは最後まで本気で気付かなかったのである。
(まずい。このままだと高い確率で原作に関わる羽目に・・・)
前世での原作知識の感想として、高町なのはという人間は幼少期のトラウマのせいか、男女の違いのせいかは分からないが『人との関わりを何よりの大切にする』タイプの人間である。
一度何らかの形で縁ができれば、
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