暁 〜小説投稿サイト〜
バカとテストと白銀(ぎん)の姫君
騒がしい春の協奏曲(四月)
第一章 小問集合(order a la carte)
第八話 侍女と鼻血と作戦会議
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かないのに来客は六人になるということを伝えていたところ、史が八畳ほどの和室のところに足の低いテーブルと座布団を配置してくれていた。
リビングの方に荷物をおいてもらって、和室で会議をする。
会議だからギュウギュウで無ければよかったのだが、それなりにくつろいで貰えそうだ。

史の仕事は卒がないね。
当然です。
目線でそんな応酬をしながら来客がそれぞれ思い思いに座ってくれるのを眺めていた。
「Bを狙うとCクラスから援軍がくるっていうのは辛いわね。」
「間違いないんだとすると、勝機は薄いと思いもうんですがそれでもBクラスをねらうんですか?」
「そもそもC組と停戦じゃとかBと不可侵の取り決めとかは無理なのかのぅ?」
女子組(一人男子混じる)からの質問が坂本に投げられる。
「Bの代表を考えろ、彼奴はさっさとリタイアさせないと面倒だろ。」
B組の代表、根本恭二は背中に「卑怯・卑劣は弱者の妄言」という座右の銘が掲げられていると評判の溝池野郎、らしい。
作戦会議をさっそく始める四人の声を、僕はキッチンで聞ききながらお茶の用意をしていた。
手を動かしながら、昨日聞かされた録音を思い出していた。
『もちろん、その先の判断は友香に任せるよ。なんたって俺はお前のことを信用しているからな。じゃあ、俺は先に出るから友香はすこし時間を空けて出ろよ。』
『分かってるよ。』

時間を見るとそろそろ蒸し終わりの時間だ。
氷の入ったグラスを用意しながらぼんやりと思う。
どうしてそんな卑劣な男に友香さんが味方するのか、不思議に思っても気にするだけ仕方がないのだろうか。
「そうですよね……、喧嘩に刃物はデフォルト、みたいなことを言っていたとか聞きますよね。」
ポットから茶葉を捨て、シュガーを入れてかき混ぜてから、自分と史の分を含めて八つのグラスに紅茶を注ぐ。
「Bだけなら正面突破でごり押し、っつう手もあるがCからの援護のせいで難しいだろうな」
史の方を見ると丁寧にケーキの切り分けをしていた。
ケーキを切るときに一カット毎に包丁を湯に漬けなおしてやっているというのに、全く無駄なくやってくれている。
生クリームでそれぞれのグラスの水面に膜を作り、その上に牛乳を注ぎ、仕上げに抹茶を牛乳の層に一匙。
最近のお気に入り、「二層のロイヤルミルクティー」を作り終える頃には、あらかじめ用意していたらしいクッキーを付け合わせに皿の盛り付けまでしてくれていた。
「妃宮さん、玄関掃除終わったよ。」
玄関口からは吉井の声が聞こえる、皆さん手際が良いですね。
「私が見て参ります。」
「ありがとう。ってちょっと待ってちょうだい。貴女は頂かなくて良いのかしら?」
ケーキは綺麗に七等分されている、つまり史の分が一つ足りない。
史に直接お嬢様言葉を使うのは何とも気恥ずか
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