第百八十八話 エッシェンバッハの驚愕
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を心に決めた。
その様な遣り取りの後、テレーゼがこれからの叛乱軍の行うであろう作戦案を渡され、それを読んだエッシェンバッハは驚きを隠せなかった。
「殿下、これは何処から御手に入れたのでしょうか?」
その質問にテレーゼが先ほどより更にニヤリとしながら話しはじめる。
「フフフ知りたいかしら、知ったら逃げられないわよ」
そう言われて逃げる訳にも行かずに話を聞き始める。
「御意」
「帝国には、情報部以外にも皇帝陛下直率の闇の組織が有ってね。その組織は帝国、フェザーン、同盟にも根を深く張っているのよ。其処からの情報が流れてきた訳ね」
「殿下・・・・・・」
「フフフ、大丈夫よ。陛下も妾も一度味方に成った者は何が何でも守り抜くわよ。何処ぞの自治領主のように自分以外は駒としか思っていない人で無しとは違うからね」
ニヤニヤと笑いながら喋るテレーゼで有ったが、エッシェンバッハにしてみれば、噂しか知らなかった皇帝陛下直率の諜報組織が実在した事と、それにテレーゼ自身が関与している事で、間違い無く殿下はルドルフ大帝の生まれ変わりだと思うように成った。そしてその事を自分に教えた事こそ陛下と殿下の信頼の証と心に強く刻まれたのである。
「では元帥、要塞攻撃時にも妾は司令室に留まって、敵のミサイル艦の攻撃時に動かせて貰うからそれだけは納得して貰うわ」
最早、イゼルローンツヴァイ、ブリガージンの首飾りを使った戦術を示されたエッシェンバッハには否と言う術は無かった。
「御意」
その頃、イゼルローン回廊帝国側出口で待機していたメックリンガー、ビッテンフェルト、ミッターマイヤー艦隊も通信中継艦を介したイゼルローン要塞からのケスラーの指令に従って回廊へと進入しはじめた。
ケーニヒス ティーゲル艦橋ではビッテンフェルトが大声で叫んでいた。
「ようしいよいよ参戦だ!全艦テレーゼ様のお膝元へ全速前進だ!」
愛すべき猪(馬鹿)は敬愛するテレーゼの元へ突き進んでいく。
尤も散々待たされたビッテンフェルトの手綱を握るためにメックリンガーは趣味の時間を取る事すら出来なかったのであるが、これから数日間も更に苦労するはめになるのであった。
宇宙暦795年 帝国暦486年 2月3日
■イゼルローン回廊イゼルローン要塞
2月3日自由惑星同盟軍は、ついにイゼルローン要塞の前面に全軍を展開させた。無論トールハンマーの射程外6.4光秒の距離である。
艦艇総数6万5千隻強、前哨戦での喪失艦や損傷艦を差し引いてもまだこれだけの艦艇をロボス元帥は展開させたのである。
アイアースの艦橋でロボス元帥が命令発する。
「攻撃開始!」
第6次イゼルローン攻防戦、殺戮と破壊の宴が遂に幕を開けた。
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