第百八十八話 エッシェンバッハの驚愕
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焦るのは判る事よ。しかしケスラーが元帥になったとしても宇宙艦隊司令長官には親補はさせられる事は無い」
テレーゼの断言をエッシェンバッハは不思議に思う、ケスラー大将と言えばテレーゼのお気に入りでありその事から考えてもテレーゼが強く押せば宇宙艦隊司令長官に親補されても可笑しくないのでは無いかと。
「不思議そうな顔をしておるの、ケスラーが妾のお気に入りであればこそ、宇宙艦隊司令長官になる事は出来ない。何故なら妾の婿になるからじゃ」
「殿下・・・・・・」
余りのはっちゃけにエッシェンバッハも目を大きく見開いて驚く。
「ハハハハ、冗談じゃ冗談じゃ、兄妹で結婚できるはずがあるまい」
今度の話で更に驚く、そう言えばケスラー大将が皇帝陛下の隠し子であると言う噂が叛乱軍側に流れていると聞いた事があると、それは真実で有ったのかと。
「殿下、お戯れはお止めください」
焦り大汗をかきながら諫言する。
「済まぬな、全て嘘よ。しかし敵を欺くにはまず味方からと言うであろう、その為のブラフよ」
「殿下」
「フフフ、本題に入ろうかの、ケスラーは何れグリンメルスハウゼンに変わって憲兵隊を指揮することが決まっている。彼ほどの人材はそうざらにいないのでな。それにケスラーは参謀肌でな、卿のような威厳を出す事は出来ぬタイプよ。その他の者でも宇宙艦隊司令長官に成るべき資質を持つ者はおっても卿の様に成るのは10年ではまず無理よ。その為に卿以外に宇宙艦隊司令長官を頼める者はおらぬ」
エッシェンバッハは御意とだけしか言う事が出来なく成っていた。何故なら単なる子供かと思っていたテレーゼの話に驚愕していただけではなく、その話が皇帝陛下などから示唆されたとは思えない程の洞察力の凄さと、演技力、状況判断力など、とても14歳の女児の考えとは思えなかったからであり、ルドルフ大帝がその身に宿ったのではないかと思えるほどの威圧感が感じられたからであった。
「フフフ、シェーンバルトは華有るが信と忠は非ず、メルカッツは信と忠は有るが華と威は非ず、ケスラーは信と忠はあるが華が非ず、その他の将官もそれぞれ何かしらの欠点を持っている中で、卿は信、忠、威を持っておる。これほどの整った司令長官は近年は寡聞に聞いたことが無い。卿に全てを任せるに何ら不安無きこと陛下も妾も国務尚書も太鼓判を押せる。卿にはこれからも帝国を背負って貰いたい。頼むぞ」
再度テレーゼが頭を下げた。
「殿下、そう易々と臣などに頭をお下げに成らないでくださいませ。帝室の威厳に関わる事にございます」
「エッシェンバッハよ、妾の身一つで帝国臣民250億が平穏無事に過ごせるのであれば安い物よ。帝国を頼むぞ」
「御意にございます」
エッシェンバッハにしてみれば此処までされて否と言えるはずが無く、益々帝国の為に働くこと
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