第百八十八話 エッシェンバッハの驚愕
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ましょう、元帥には嘸かし不快感を与えたことと思います」
テレーゼが頭を下げ語ったために、エッシェンバッハは条件反射的に自らも頭を下げて謝罪する。
「殿下、御頭をお上げください、本来であればシェーンバルト少将の手綱を絞めるのは臣の役目でございます。それを怠り彼の者にやりたい放題をさせていたは臣の罪にございます」
「元帥、あの者の我が儘は父上のせいでもあるので気に病むことはない」
「殿下・・・・・・」
「元帥、この度の事は、父上がお考えになった事、父上は常日頃、要塞司令部と駐留艦隊司令部の相克を憂いておってな。この度の妾の要塞への旅で何とかする気であったのだ、その事を聞いていた妾も其処であの者の愚かな行為に思わず強くいった訳なのだ」
テレーゼの思わぬ告白に愕然とするエッシェンバッハ。
「陛下ががでございますか?」
「そうよ。妾の叱責で要塞司令部も駐留艦隊司令部も大人しくなって誰も無謀な出撃を言わなくなった。今までであれば卿が睨みをきかした所で、オーディンに繋がりのある門閥貴族の指揮官が強力なバックの圧力で無謀な出撃を主張する事が多々有ったであろう」
エッシェンバッハも幾度となくブラウンシュバイク公以下の大貴族の横槍に作戦をかき回された記憶があるために自分の力の無さを情けなく思いながら頷くしか無い。
「御意」
「其処で、父上は卿をエッシェンバッハ子爵に叙爵したうえ、この度の妾の威圧で卿の指揮権を妨げる者共に誰が卿の後にいるかを知らしめた訳よ。エッシェンバッハよ、卿は帝国の為によく働いてくれている。これは父上も妾も考えは同じよ。卿に変わる宇宙艦隊司令長官は無い、父上も妾も卿を信頼しておる。間違っても自信を無くす様な事にならぬようにして欲しい。帝国の安全保障は卿にかかっておるのだ頼むぞ」
エッシェンバッハはテレーゼから発せられた言葉に更に驚愕し感動に包まれる。
「陛下と殿下は、其処まで臣の事を・・・・・・」
「其処でエッシェンバッハ、卿の心配事を消してやろう」
エッシェンバッハは、テレーゼの話になんのことかと不思議がる。
「殿下、それはいったい何のことでありましょうか?」
今までの真剣な表情からうって変わって悪い事をするような笑みでテレーゼはエッシェンバッハを見る。
「卿の地位を脅かすであろうと卿が考えている人物の事よ」
「その様な事は」
内心の鬱積を知られたかと驚く。
「隠さずとも良い、卿がケスラー大将の事を気にしていることなど予測が付く事よ」
「それは・・・・・・」
「フフフ、若き戦略家、戦術に関しても帝国でも上位に位置する男であれば、卿の地位を脅かしかねないと思っているの有ろう」
心の内をズバリ当てられて、エッシェンバッハは冷や汗をかき始める。
「その様な事は」
「良い良い、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ