マクロスF
0775話
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
だが、ブレラは奴等のコントロール下から抜け出したというのに、何故他の機体は未だにコントロールされているんだ?
いや、今はそれどころじゃないか。とにかくグレイス・オコナーもこれで死んだ以上は、このバジュラに関しての騒動もようやく一区切りついたんだ。後の始末はフロンティア船団に任せて、俺はとにかくシェリルの治療を……そう思った時だった。
バジュラ本星の一部分――ランカの映像が生えていた部分の根元――を中心にして、螺旋状に光が放たれる。
……何が起こっているのかは分からない。だが、間違いなく俺達にとっては不都合な何かが起きているのは間違いが無かった。そして、次の瞬間には螺旋の中心から爆発的にエネルギーがドーム状に広がり、そのエネルギーはバジュラ本星だけでは無く宇宙空間にまで到達。ドーム状のエネルギーに触れたバジュラは体の色が白へと変わっていく。
やばい、危険だ、このままでは取り返しのつかない事が起きる。俺の中で念動力が必死に危険を知らせてくるのを感じ取りつつ、何が起きてもすぐ対応出来るように待機する。
『今までとは桁違いに強烈なフォールド波が、バジュラ本星を中心に展開……きゃあああああっ!』
マクロス・クォーターからの通信でモニカからの悲鳴のような声が聞こえてくる。同時に物理的な衝撃すら伴ってフォールド波が放たれ、その場にいた全ての機体を衝撃で揺らす。
それはニーズヘッグにしても同様であり……否、10tを切る機体重量しか無い小型機である以上、より大きくその衝撃を受けた。
だが、ヒュドラを始めとした機体の各所にあるスラスターでバランスを取り、あるいはエナジーウィングを使ってその衝撃波を乗り切る事に成功する。
だが……次の瞬間、映像モニタに映し出された映像を見て思わず息を呑む。先程のフォールド波の衝撃が何らかの決定的な影響を及ぼしたのだろう。あるいはフォールド波を増幅する効果を持つフォールド・クォーツを身につけていたのが原因なのか。とにかく、マクロス・クォーターのステージでシェリルが倒れ込んでいたのだ。気を失っているのか、倒れ込んだ後はピクリと動く様子も無い。
「シェリル!? マクロス・クォーター、シェリ……」
『フォールド・ウェーブ、急速展開! 星系全域にネットワーク構造を構築していきます!』
ラムの悲鳴のような声に、俺の通信が遮られる。そのシェリルにマクロス・クォーターの乗員が駆け寄っていくのを見て、取りあえず安堵の息を吐く。だが、何だ? 星系全域にネットワーク構造を構築?
『隊長、アクセル君、バジュラの動きが!』
こちらの考えが纏まるよりも前にルカのRVF-25からの通信が入る。
くそっ、次は一体何が起こった!?
視線を白い体色に変わったバジュラへと向けようとした、その時。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ