第六話 石川大尉!!合気道でも勝つ!!その十
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「仏罰が当たれ!」
「今度こそ負けろ!」
「全く、神聖な山にこの様な悪しき者共が入るなぞ何たること」
「この上ない厄介ごとよ」
「俺達って本当に不人気だな」
「何かお坊さんに特に嫌われてなくないか?」
今このことに気付いた二人だった、山を登る間高野山の僧侶達は石川の勝利を祈願して密教の法すら行っている。
その中でだ、彼等は二人への批判を続けている。
「女の子にもだけれどな」
「何で坊さんはここまで俺達を嫌うんだ?」
「あと神主さんとか神父さんにも嫌われてるな」
「神様とか仏様に仕える立場の人にはな」
「他の仕事の人が俺達を嫌うよりも余計にな」
「ダントツで嫌ってくれるな」
「当然じゃ!」
僧侶の一人が言って来た。
「御主達の様な卑怯卑劣の限りを続ける者達が何故好かれるか!」
「だからかよ」
「人の道を教える坊さんには嫌われるか」
「そういうことか」
「神父さん達にもか」
「その不埒な悪行三昧、必ず仏罰が降るぞ」
また仏罰の話だった。
「正々堂々と戦え、そして死ぬのじゃ」
「けっ、誰が正々堂々と戦うかよ」
「俺達がそんなことするか」
二人は僧侶の言葉に悪態で返した。
「勝負は勝てばいいんだよ」
「勝てば官軍なんだよ」
「強い奴が勝つんだろ」
「それで勝った奴が正義なんだよ」
「勝つ為に手段なんか選んでやれるか」
「ましてあんなに強い連中からな」
手段を選べるかというのだ、そして。
高野山を進んでいてだ、二人は次第に歩く速度が遅くなったのを感じた。そうして今度はこう話すのだった。
「高野山って噂には聞いてたけれどな」
「ああ、実際に登るとな」
「やっぱり険しいな」
「そうだよな」
「思った以上にな」
「辛いぜ」
「ふん、それもまた修行のうちじゃ」
先程とは別の僧侶が二人に言って来た。
「我等はこの山に登ることでも修行をしているのじゃ」
「それでこんなに険しいのかよ」
「尋常じゃない位に」
「修行か」
「それもやってるのか」
「御主達も修行をしろ」
こうも言う僧侶だった。
「そしてその腐りきった性根を入れ替えるのじゃ」
「だから俺達の何が悪いんだよ」
「ったくよ、全世界の人が叩いてくれるけれどな」
「俺達は誰にも迷惑かけてねえだろ」84
「日帝衆の再併合を阻止してるんだぜ」
「それが何だよ」
「この圧倒的な批判な」
何故批判を受けているのかは全くわかろうとしない二人だった、そのうえで高野山の見事な緑と寺院の中を進んでいく。
「感謝しろ、感謝」
「尼さんに酌させろ」
「女人禁制だったらしいけれどな」
「それでも呼んでくれよ」
「そうしてな」
「尼さんプレイだぜ」
二人はかなりディープな趣味も出した。
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